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実際にあったご相談実例

相続人全員が集まって遺産分割協議を行い、遺産分割協議書の作成と全員の署名捺印が完了しました。その後、相続人の一人がやっぱり遺留分の請求をしたいと言い出したのですが、それは可能なのでしょか?もし可能ならせっかく協議して決めた意味がないと思うのですが…

まず、結論から申しますと、遺産分割協議成立後に遺留分を請求するというのは難しいと思われます。

 

「できません」と断定しなかったのは、相続人全員で再度協議し、遺留分相当額を渡してあげようということになれば改めて協議が成立したわけですので、特段問題はないと思われる為です。

ただ、大きな方向性として「遺産分割協議」と「遺留分」の考え方に少し相違があるようですので、そのあたりをご説明させていただきたいと思います。

 

「遺産分割協議」とはご存知の通り、被相続人の遺した財産について、誰が、何を、どれだけ相続するかを相続人全員で協議して決める話し合いのことです。

では、例えば相続人が配偶者と子供2人の計3人だったとして、「協議の結果、配偶者が全てを相続する事になりました」という場合、それは有効か無効かと言えば当然有効です。全員が納得した上で一人が全てを相続するわけですので、話し合いが成立している以上、他の相続人も合意済、他の相続人の権利を侵害しているわけではありません

 

しかし、遺言書があって「配偶者に全てを相続させる」と書かれていた場合、これは遺言者の意思によって配偶者が全て相続することになりますので、配偶者を含め、相続人3人の意思や協議ではなく、あくまでも被相続人の意思で相続の内容が決定することになります

ここで出てくるのが「遺留分」です。遺留分とは民法1028条にて帰属とその割合が定められておりますが、簡単に説明すると、被相続人の相続財産について、法定相続人に確保されている最低限の受取分(割合)のことです。遺言書によって自分が全くもらえないことになっている場合、遺留分の請求(遺留分減殺請求)をすることで、その遺留分相当額を受け取る事ができます。

今回のケースで言えば、2人の子供から全てを相続する予定の配偶者に対して「遺留分を請求します」と伝えれば実際にそれを受け取ることができるということです。

 

いま「遺産分割協議」の場合と「遺言書」の場合を説明しましたが、何の合意もしていないのに自分が相続できないことになっていた(遺留分相当額以下の受取りになっていた)場合、つまり、自己の権利を侵害されていた場合に請求できるのが「遺留分」であって、話し合いをして納得して署名捺印したのであれば、自分が決めたことを後から勝手に取りやめることになりますので、それには相続人全員の合意が必要(遺産分割協議書の作成し直し)ということです。

 

■■■今回のまとめ■■■

・遺留分の請求は、遺言書等によって自己の権利(最低限受け取る事ができる割合)を侵害された場合に請求可能。
・遺産分割協議で合意したのであれば、後から遺留分を請求することはできない。

 

 

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