〈死亡後の手続き⑥〉介護保険に関するサービスの手続き方法

先月妻が亡くなりました。要介護1で、居宅介護サービスを受けていましたが 、死亡届は提出し、ヘルパーさんにも亡くなったことは報告済です。他に介護保険に関して必要な手続きはありますか?

  • 亡くなった人の介護保険で必要となる手続きについて
    →手続きが必要となる人/ならない人
    →どのような手続きが必要になるのか
  • 保険料の支払いについて還付または納付がある

 

介護保険制度は、高齢化が進むにつれ、高齢者の介護を社会全体で支える仕組みとして、2000年から導入されました。

 

この記事では、介護保険の被保険者(加入者)が亡くなった場合に、どのような手続きが発生するのか詳しく解説していきます。

 

1.介護保険制度のしくみ

そもそも介護保険制度とはどのような仕組みなのか?

この部分を理解することで、相続手続きも少しはスムーズに進められると思います。

(ご存じの方は飛ばしていただき、2章|必要な手続きよりお読みください。)

 

まず、介護保険制度の被保険者(加入者)は、以下の2つに分類されます。

  • 1号被保険者:65歳以上の人
  • 2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者

 

それぞれ、保険料の支払い方法と、介護保険サービスの受給要件が異なります。

 

■第1号被保険者:65歳以上の人

保険料の支払い方法

原則として、年金から天引きされます。(特別徴収といいます)

(※ただし年金の年間支給額が18万円以上の場合)

天引きされない場合は普通徴収になり、役所から届く納付書を使って納付することになります。

介護サービス受給要件 原因を問わず要支援、要介護状態になったとき

 

■第2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者

保険料の支払い方法

●在職中の場合:健康保険料と介護保険料が一緒に徴収されます。
(健康保険料に上乗せして、毎月の給与から天引きされます。)

●自営業等の場合:国民健康保険料として、医療保険料と介護保険料を一緒に世帯主が納付します。

介護サービス受給要件 末期がんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で、要支援・要介護状態になったとき

 

2.〈ケース別〉遺族が行う介護保険の手続きとは

まず、第2号被保険者で、要支援・要介護認定を受けていない人は、手続きは不要です

(ただし、必ず死亡後7日以内に死亡届を提出しましょう。)

 

手続きが必要になるのは、

  • 第1号被保険者(65歳以上の人)
  • 第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)のうち、要支援・要介護認定を受けている人

のみです。

 

要支援、要介護認定を 1号被保険者 2号被保険者
受けている 手続きが必要 手続きが必要
受けていない 手続き不要

 

必要な手続きの概要は下記のとおりです。

いつまでに 死亡後14日以内に
どこに

役所(介護保険課)

※亡くなった人の住所地がある役所です

必要なもの

●介護保険資格喪失届
役所にあります。HPから取得できる場合もあります。

●介護保険被保険者証
紛失している場合はその旨を伝えましょう。

 

2-1.介護保険料を納めていた場合の手続き(還付の請求/不足分の納付)

介護保険を納めていた人が亡くなった場合、介護保険料は月割りで再計算されます。

(第1号被保険者、第2号被保険者、ともに40歳以上の人全員です)

 

介護保険料は、資格喪失日の前月までを月割りで再計算されます。
(※資格喪失日=死亡日の翌日)

例:

6/29に死亡 → 資格喪失日6/30 = 4月~5月分まで納付

6/30に死亡 → 資格喪失日7/1 = 4月~6月分まで納付

 

再計算によって介護保険料に変更があった場合、役所より「介護保険料変更決定通知書」が送付されます。

 

このとき、介護保険料が

  • 納めすぎとなった場合には、相続人に対して返金(還付)される
  • 不足するとなった場合には、相続人が不足分を納付する

こととなります。

                           

介護保険料を納めすぎていた場合、(死亡届の受理により)役所から還付通知書が届きます。

これに必要事項を記入して返送すれば、納めすぎていた介護保険料が還付されることになります。

 

※還付手続きをしなければ、自動的に還付されません。
ご注意ください。

 

その後、概ね2~3週間程度で、指定口座に還付金が振込されるようです。

(役所によっては1か月以上かかる場合もあります。)

 

また、請求する人と亡くなった人の関係がわかる戸籍謄本が必要になるため、必ず同封するようにしましょう。

(同一世帯者が請求する場合は戸籍が不要になる場合もあるため、事前に役所に確認しましょう。)

 

介護保険料の還付金の請求権は、2年で消滅します

(還付に関する通知書を送付した日が基準となるため、2年を経過した場合は時効となり請求はできません。)

早めに手続きするようにしましょう。

 

■不足する介護保険料がある場合も、還付がある場合と同様に、役所から通知が届きます。

 

「不足する」場合というのは、例えば

  • 保険料を滞納していた
  • 口座から引落ができなかった

といった場合でありケースとしては少ないですが、不足の連絡が来た場合は必ず相続人が納付するようにしましょう。

 

2-2.年金を受給していた場合の手続き(受給停止手続き)

亡くなった人が年金を受給していた場合には、介護保険の特別徴収を停止するため(つまり、年金からの天引きを停止するため)、日本年金機構にも死亡の手続きを行う必要があります。

 

特別徴収の停止には2か月程度かかるため、亡くなった後に振り込まれる年金から介護保険料が徴収されることがあります。

その場合には、役所が日本年金機構などの処理を待ってから過不足を計算し、差額の納付書または還付通知書が送付されることになるため、少し時間がかかることになります。

 

亡くなった人が年金を受給していた場合は、年金を停止する手続きも忘れないようにしましょう。

 

3.まとめ

亡くなった人の介護保険に関して、必要な手続きとは、

  • 65歳以上の人
  • 40歳以上65歳未満の人で、要支援・要介護認定を受けていた人

を亡くした場合で、その資格を止めるための「介護保険資格喪失届出」の提出が必要になります。(2章

 

また、介護保険料を支払っていた場合は、保険料に関して

  • 納めすぎの場合→還付の手続き
  • 不足の場合  →納付の手続き

が必要になります。(2-1

 

そして、年金受給者でもあった場合は、特別徴収と紐づいているため、年金のほうの手続きも忘れず対応しましょう。(2-2

 

※尚、亡くなった人が後期高齢者医療被保険者であった場合も手続きは同様であるため、介護保険の喪失手続きと併せて行うようにしましょう。

 

またお手続きに関してお困りの際はお気軽に当センターまでご連絡ください。

 

その他の死亡後の手続きについては、こちらをご参照ください。

>>死亡後(葬儀後)の手続き一覧表(チェックリスト付)はこちら

 

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この記事を執筆した専門家

この記事を執筆した専門家 吉﨑 昌代
  • 行政書士
  • 社会保険労務士

吉﨑 昌代

Masayo Yoshizaki

全国社会保険労務士会連合会第27210156号
大阪府社会保険労務士会第22594号
日本行政書士会連合会16262536号
大阪府行政書士会第7268号

相続専門の社会保険労務士、行政書士。ご遺族の今後の生活の糧となる「年金」の専門家。適切に漏れなく年金が受けとれるように手続きの全てに対応する。金融機関出身で、銀行の相続手続きにも強い。G1行政書士法人所属。

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