〈死亡後の手続き⑧〉健康保険証(及び健康保険高齢受給者証等)の手続き方法

亡くなった祖母の相続手続きを進めているところです。祖母の健康保険証と高齢者受給者証がありますが、こちらは何か手続きが必要でしょうか。

亡くなった人の健康保険証については、加入先を確認し死亡の連絡を入れ、所定の手続きをする

  • 手続きする際の注意点
  • 葬祭費が請求できる人は忘れず申請しよう

 

この記事では、亡くなった人の健康保険証の扱いについて解説します。

 

日本では『国民皆保険制度』が導入されていますので、全ての人が健康保険に加入しています。

その健康保険には複数種類があり、職業や年齢などによって加入先が異なります。

まずは亡くなった人が、どの種類の健康保険に加入していたのか、どのような給付があるのかを確認してみましょう。

 

そして、その人がどこに加入していたかにもよりますが、

  1. 加入先に死亡の連絡を入れる
  2. 加入先の指示に従い保険証も返納する

というように、手続き自体はとてもシンプルです。

 

ですが、例えば

  • 世帯主が亡くなった場合
  • 扶養者が亡くなった場合

少し注意が必要です。

それでは詳しく解説していきます。

 

1.健康保険加入者が死亡した場合の手続き方法

健康保険加入者、つまり、被保険者が亡くなった場合の手続き方法について解説します。

 

1-1.加入先に加入者の死亡の連絡を入れる

まずは、保険証に記載されている保険者(加入先)に連絡を入れ、加入者の「資格喪失」の手続きをしてもらいます。

(つまり、基本的に喪失手続きは、加入先が行います。)

 

【国民健康保険の場合】

連絡先は、亡くなった人が最後に住民登録をしていた管轄の役所になります。
(または、手元に保険証がある場合は「交付先」から役所を確認するよいでしょう。)

多くの場合、死亡届の提出先でもあるため、国民健康保険の資格喪失の手続きも同時に行ってくれます。
(死亡届を提出すると国民健康保険も資格喪失となります。)

よって、別途手続きは不要となります。

(参考)大阪市|ご不幸に伴う国民健康保険の手続き

 

【その他、全国健康保険協会、共済組合等の場合】

連絡先は、加入先(保険者)になります。
(手元に保険証がある場合は「保険者」から確認するとよいでしょう。)

勤務先によっては、勤務先が窓口となり手続きを進めてくれる場合もあります。

各保険者に加入者の死亡の連絡をし、喪失届等の入手方法や必要書類などを確認しましょう。

(参考)全国健康保険協会(協会けんぽ)は、埋葬費の請求をすることにより資格喪失の手続きを同時に行うようです。

>>協会けんぽ|よくある質問「被保険者が死亡しました。何か必要な手続きはありますか?」

>>大阪府市町村職員組合|組合員証等

 

死亡届を提出すると、マイナンバーの紐づけによって、国民健康保険の喪失手続きは不要とされています。また、年金等も自動的に停止されます。
(マイナンバーが紐づけされていると、複数の機関に存在する個人情報を連携して、個人を特定することが可能になるためです。)

 

■マイナンバーの紐づけ(=マイナンバーが収録される)とは?

マイナンバーの収録とは、日本年金機構がもともと保有している情報(年金の加入や受け取りに関する記録など)にマイナンバーを追加で登録することをいいます。

日本年金機構では、マイナンバーを利用した事務を円滑に実施するために、私たちが日本年金機構や市区町村・事業主に届け出たマイナンバーを収録しています。

日本年金機構でマイナンバーを収録済みの方は、これまで必要だった届書や添付書類の提出を省略できるなどのメリットがあります。

例えば国民年金保険料を納める場合や、年金を受け取る場合、役所に対して口座振替依頼書を提出します。その手続きをする際に、マイナンバー役所に対して伝えることになります。
そうすることで、役所はその方個人のマイナンバーの届け出を収録して、紐づけが可能となるのです。

 

1-2.加入先に保険証を返納する

手元にある保険証は、基本的に保険者(加入先)に返納します。

 

返納するタイミングは、保険者によって異なります。

(まれに、各自で処分するよう案内される場合もあるようです。)

 

保険証と併せて、「(健康保険)高齢受給者証」などを所有していた場合は、一緒に返納しましょう。

健康保険証や高齢受給者証が見当たらず、紛失している場合は、その旨、必ず加入先に伝えるようにしてください。

 

(健康保険)高齢受給者証とは

70~74歳の保険加入者に対し各保険組合から発行され、収入などの状況により、医療機関等の窓口において一部負担金の割合が変わることを示す証明書です。

提示することで保険料の負担を軽減することができます。

75歳になると後期高齢者医療制度に移行し、「後期高齢者医療被保険者証」が発行されます。

 

2.【注意】亡くなった人が世帯主/扶養者だった場合の手続き

次の2つのケースに該当する場合、手続きに注意が必要です。

  1. 〈国民健康保険〉世帯主が死亡した家族
  2. 〈その他の保険組合等〉扶養者が死亡した家族

 

それぞれ解説します。

 

2-1.国民健康保険加入者の世帯主が死亡した場合

国民健康保険加入者のうち、世帯主が死亡した場合は、以下の手続きが必要になります。

  1. 世帯主の資格喪失手続(死亡届と同時)
  2. 世帯全員分の保険証の返納
  3. 世帯主変更届の提出

 

世帯主が亡くなったことにより、新たに世帯主を立てて家族の保険証を作る必要があるためです。

 

(事例)
          (死亡前)    (死亡後)
父:自営業    = 加入者(世帯主)→ 資格喪失
母:専業主婦 = 加入者     → 加入者(世帯主)
子:中学生    = 加入者             → 加入者

※必要な手続き

  1. 父の死亡届の提出
  2. 父、母、子の保険証の返納
  3. 母の世帯主変更届

(後日、番号と世帯主が変更された新しい保険証が交付されます。)

 

2-2.その他の保険組合等加入者の扶養者が死亡した場合

健康保険に加入していた人が亡くなり、その扶養に入っていた家族(被扶養者)は、国民健康保険の加入へ移行する必要があります。
(亡くなった人の健康保険に加入し続けることはできません。)

扶養者が亡くなった次の日から、扶養されていた方(例えば妻、こども等)は、今までの保険証を使用できなくなりますので、早めに手続きを行いましょう。

 

(事例)
        (死亡前)   (死亡後)
父:会社員  = 被保険者 → 資格喪失
母:専業主婦 = 父の扶養 → 国民健康保険の世帯主
子:中学生  = 父の扶養 → 国民健康保険加入者

※必要な手続き

  1. 父、母、子、の資格喪失届、保険証の返納
  2. 母の国民健康保険の加入届、子の加入届

 

3.葬祭費も忘れずに申請しよう

各健康保険組合から、葬儀に関する費用(葬祭費等)が支払われる場合があります。

 

いずれの保険組合であっても、必ず、申請しなければ支払われることはありません。

(死亡届を提出して、資格喪失の手続きを行っただけでは、自動的に支払われることはないので、注意してください。)

 

申請に必要な書類などもあるため、死亡の連絡をする際に併せて確認するようにしましょう。

 

4.まとめ

加入者の死亡に伴う健康保険に関する手続きは、

  • 加入先へ死亡の連絡
  • 加入先へ保険証の返納

があります。

 

また、

  • 加入者が国民健康保険の世帯主だった場合
  • 加入者がその他健康保険組合加入者でかつ扶養者だった場合

は、これらに加えて必要な手続きがあるため注意が必要です。

 

他にも、葬祭費等の請求ができる場合があるため、各保険組合に確認したうえで、忘れず手続きをするようにしましょう。

 

その他の死亡後の手続きについては、こちらをご参照ください。

>>死亡後(葬儀後)の手続き一覧表(チェックリスト付)はこちら

 

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この記事を執筆した専門家

この記事を執筆した専門家 小畑 裕子

小畑 裕子

Yuko Obata

大阪府行政書士会 第090073号

行政書士補助者。遺産相続の実務手続きを担当し、年間1,500件を超える相談にも対応。管理栄養士の資格を持ち、遺言や信託を検討している高齢者を食と健康の面からサポートする。G1行政書士法人所属。

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