大阪市中央区、
東京都港区ではお馴染み!
窓口封筒に掲載の信頼!
まずは信頼して頂く事から。
年間相談実績1800件。
お亡くなりになった後、残された荷物の整理をしていると、タンスや引き出しの中から思いもよらず遺言書が出てくることがあります。
封筒はノリ付けして押印されており、表面には「遺言書」の文字。ついつい開封したくなるのが心情ですが、中身を出して確認するのは法律によって禁止されています。見つけた遺言書を開封する為には、まず「検認」という手続きをしなければならないのです。(民法1004条)
「我が家は財産がないから遺言なんてあるはずがない」とお考えの方、もう一度しっかり探してみて下さい。近年ではインターネットが普及し、テレビなどのマスメディアでも遺産相続の特集が組まれ、本屋に行けばエンディングノート専用のエリアが設けられるほどです。つまり、それだけ遺産相続や遺言書が身近なものになり、誰もが気軽に遺言書を作成する時代になってきたということです。
高級な和紙に筆で書いてあっても遺言書、広告の裏面にボールペンで書いてあっても遺言書。その効力に違いはありません。もう一度しっかり探してみて下さい。
それでは、遺言書を開封する為に必要な手続き「検認」について詳しく解説致します。
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裁判所の言葉を引用しますと、検認とは「遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続」です。(家庭裁判所のホームページで詳しく見る)
簡単にわかりやすく言い換えると、検認という手続きは、遺言書の内容が法律的に正しいのかどうか、記述方法に間違いがないかどうか、果たしてそれが有効な遺言書なのかどうかを確認するためのものではなく、遺言書の内容を偽造・変造されないために裁判所が証拠を残す手続きということです。
そのため、検認の手続きを経て開封しても、その遺言書自体が無効な遺言書であれば、結果的には遺言書としての効力を有さないことになります。
「検認しても無効になる場合があるんだったら検認しなくてもいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、先ほどもお伝えしました通り、検認の目的はあくまでも「証拠保全、偽造・変造防止」ですので、その内容が有効か無効かに関わらず、開封前には必ず行わなければなりません。
検認の手続きは、お亡くなりになられた方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。管轄の裁判所を調べたい場合は、家庭裁判所のホームページに詳しく掲載されています。
申立人(申立てをする人)は、遺言書を保管している人、または遺言書を発見した人です。相続人しかできない、親族しかできない、などということはありません。
申立てに必要な費用は遺言書一通につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(具体的にいくらになるかは申立てをする裁判所が教えてくれます)です。
・申立書(検認申立書の記載例はこちら)
・相続人すべての戸籍謄本
・お亡くなりになられた方の出生から死亡までのすべての戸籍
検認の申立てをすると、申立てをした家庭裁判所から相続人全員に「いついつ遺言書の検認の手続きを行います」という検認期日の通知がなされます。そしてその期日に遺言書の保管者が遺言書を持参し、相続人の立ち会いのもと、遺言書の開封とその内容の確認が行われ、検認調書が作成されます。
検認が行われる家庭裁判所から遠く離れたところに住んでいたり、どうしても都合が悪く検認期日に立ち会いが出来ない場合は、代理人が立ち会いをすることも可能ですし、欠席することも各人の判断に任されています。仮に欠席した場合、その人は検認の内容を知ることができないのかというとそうではなく、後日、検認の結果についての通知が郵送されます。
冒頭にも申し上げました通り、勝手に遺言書を開封するのは厳禁です。では、万が一勝手に開封してしまった場合はどうなるのでしょうか?それは民法1005条で定められております。
民法1005条【過料】
前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所以外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。
前条というのは1004条のことで、そこには検認手続きの必要性が記載されています。つまり、検認手続きを経ないで勝手に開封してしまうと、5万円以下のお金を払わなければならないということです。
「過料」という言葉は聞き慣れない言葉かと思いますが、いわゆる「罰金」のようなものです。ただ、刑法上の刑罰ではないので正確には「罰金」ではなく、「過ちを犯したことに対して支払う金銭」というのが正しい認識になります。
ではその5万円を支払ったとして、勝手に見てしまったことによって遺言書自体が無効となってしまうのかというと、もちろんそんなことはありません。内容や記載方法に間違いがなければ有効な遺言書として効力を有しますのでご安心下さい。
遺言書は丁寧に「遺言書」と書いている場合もあれば、何も書いていない無地の封筒の場合もあります。その場合、たとえ中身がわからない状態で開封したとしても、結果として過料が課されてしまう可能性もあります。
もしかして…という封筒を見つけた場合は勝手に開封せず、まずは相続人同士で話し合いをされることをおすすめします。
これらの専門家が、お一人お一人のご状況に応じて、
必要な手続き、すべき手続きを全てサポート致します!!
こういったケースももちろん考えられます。
遺品の奥の奥にしまってあった場合、お亡くなりになられてすぐに相続人の間で遺産分割協議をしてしまった場合などです。
この場合、原則として遺産分割協議で決定した内容が遺言書に優先しますので、その内容に関して相続人全員の合意があるのであれば、敢えてやり直しをする必要はありません。ただし、遺言書の中で遺言執行者(遺言書の内容を実現するために特に選任された人)が指定されていた場合、その遺言執行者が「いや、そこは遺言者の遺志を尊重し、遺言書の内容通りに相続財産を分割する」と言えば、それに従わなければなりません。
反対に、遺言執行者が「もう遺産分割協議も終わったし、相続人全員が納得しているならその通り進めよう」と追認した場合は、相続人の間で決めた通りに分割しても問題ありません。
他にもよくある内容としまして、遺言書の中に「遺贈(相続人以外の人に財産を譲ること)」の記載があった場合、その遺贈を受ける人は当然ながら遺産分割協議に参加していませんので、いくら相続人の間で合意があったとしても、その遺産分割協議は無効となります。
また、それと同じ理由で、遺言書の中に「認知(婚姻関係にない男女の間に生まれた子を自分の子供だと認めること)」の記載があった場合も無効となります。
遺言書はしっかり封をしているものばかりではなく、封をしていないもの、封筒に入っていないものもあります。その場合、内容を見ようと思えば簡単に見ることができてしまいます。
では自分が相続人だった場合、こっそり内容を見た遺言書に自分以外の誰かに全財産を譲ると書いてあったとしたら、とっさの判断で隠してしまったり破棄してしまうことがあるかもしれません。そうした場合はどうなるのでしょうか?
答えは民法891条「相続人の欠格事由」の中にあります。
「欠格事由」というのは「資格を欠く事由」ということで、「こういうことをすると相続人としての地位を失いますよ」ということが定められています。
その中にはいくつかの項目が挙げられていますが、5番目に「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者」というものがあり、「偽造」は偽物を造ること、「変造」は変えて造ること、「破棄」は捨ててしまうこと、「隠匿」は隠すことですので、それらに該当する行為をした者は相続する権利そのものを失うということになります。
相続人としての地位を失うと遺留分(相続人に最低限保証されている相続分)すらなくなってしまい、一切何も受け取ることができなくなります。自分に不利な遺言書を発見した場合も、絶対にそういった行為をしないようにご注意下さい。