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【相談事例】不動産の評価額と実際の売却価格が全然違う!相続税の計算は?

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【相談事例】不動産の評価額と実際の売却価格が全然違う!相続税の計算は?

財産は約6,000万円、そのうち不動産の評価額が1,800万円との試算ですが、誰も住まないので売却したところ、田舎ということもあって600万円でしか売れませんでした。
実際の金額と評価額に大きな差がありますが、相続税の申告はやはり評価額で記載しないといけないのでしょうか?
どう考えてもそんなに高く売れないので、納得いかないです。

相続税の財産評価に関するご相談です。

 

平成27年1月1日以降開始の相続については基礎控除などの大幅な見直しがありましたので、相続税の申告が必要なケースがかなり増えた印象です。

 

財産評価は相続税額にも大きく影響する部分ですので、皆さま非常に気になるポイントかもしれませんね。

 

 

 

さて、今回は

1 不動産の評価額(路線価方式)と売却価格とが乖離している

2 田舎であり周辺の取引事例からも評価額での売却は困難である

3 売却価格は売り急ぎによる価格ではなく、取引価格として妥当である

というところがポイントかと思います。

 

それぞれ少し補足しておきますね。

 

 

1 不動産の評価額(路線価方式)と売却価格とが乖離している

 

相続税の財産評価において、不動産は路線価方式にて算出します

「路線価」とは文字通り「路線」に対して「価格」が設定されているのですが、この「路線」は鉄道ではなく道路のことを指します。

 

つまり、道路に価格が設定されていて、対象となる不動産が面している路線価と面積を掛け算して求めます。

(実際はここまで単純な式とは限りませんが、分かりやすくお伝えさせていただいております)

 

路線価は国税庁のホームページに掲載されておりますので、ご自身で調べることも可能です。

参考:路線価図・評価倍率表(国税庁のホームページ)

 

 

 

2 田舎であり周辺の取引事例からも評価額での売却は困難である

 

これは文字通りかもしれませんが、やはり大都会と地方の静かな町では物件そのものの需要が全く違いますので、その点における考慮は必要になるかと思います。

 

もちろんそれは市町村役場が決定する固定資産税評価額にも反映されておりますが、実際の市場流通性という面で考えると、とてもその違いをカバーできているとは言えない場所、地域、不動産もあると思われます。

(役所としても、固定資産税の徴収は大切な財源の一つですので)

 

 

 

3 売却価格は売り急ぎによる価格ではなく、取引価格として妥当である

 

何をもって「妥当」と判断するのか、誰が「妥当」と判断するのかを考えると難しいところですが、例えば誰が見ても1500万円で売れる不動産を100万円で売却した場合、やはり「妥当」とは考えにくですよね。

 

総合的に判断して、誰の目で見ても、このあたりが一つの「妥当」のラインになってくるかと思います。

 

 

 

 

さて、それではもう一度ご相談内容に戻りますと、

 

『財産は約6,000万円、そのうち不動産の評価額が1,800万円との試算ですが、誰も住まないので売却したところ、田舎ということもあって600万円でしか売れませんでした。』

 

というケースでは、

売却価格の600万円を時価として申告することが可能

です!

 

 

 

このような方法がなぜ可能かと申しますと、まず、相続財産の価額は「時価」により評価します。

 

「時価」とは、相続時において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいいます。

 

 

国税庁では、課税の公平性を担保するため財産評価基本通達により、一律の評価方法を定めています。

土地の場合は原則として路線価方式になります。

(上記1でも解説しましたね)

 

 

一方で、国税庁が定める財産評価基本通達は万能の評価方法ではなく、今回のご相談のように評価額が高く、実際の売却価格が低いような場合も散見されます。

 

そういった財産評価基本通達で評価することがなじまない場合は、実際の売却価格を時価と考えて申告することも認められます

 

 

 

従いまして、今回のケースでは

売却価格を時価として申告することが可能

となります。

 

 

 

具体的な申告手続きとしましては、申告書に不動産の売買契約書を添付する必要があります。

 

 

また、今回のケースのように売却価格で申告可能なら、安い金額で親族に売却して相続税の税額を下げようと思いつく方もおられるのではないでしょうか。

 

当然ながらそういった場合の売却価格は、第三者間取引でないため「時価」として認められません。

 

 

 

今回の申告方法の注意点としまして、以下①~④のいずれかに該当するような場合には、その売却価格に恣意性介入の可能性があるため、売却価格を時価として評価することは認められませんのでご注意下さい。

 

 

① 相続開始時から売却時期までの期間が長い場合

② 売却先が親族などの特別な特殊関係のある者である場合

③ 売り急ぎ等により相当の値引きを受けている場合

④ 売却価額が周辺の取引事例に比して明らかに低い場合

 

 

また反対に、売却価額が高い場合でも路線価方式により評価することは可能になります。

 

路線価方式による評価は、財産評価基本通達によって定められている評価であり、課税の不公平をなくすために国税当局が一律に定めている(認めている)評価方法であるためです。

 

 

要は、

路線価方式売却価格→売却価格でOK

路線価方式売却価格→路線価方式でOK

ということです!

 

 

■■■まとめ■■■

・相続後一定期間内に第三者に合理的な価額で売却している場合には、当該売却価格により評価する。

・逆に売却価格の方が高い場合であっても、原則的には路線価方式又は倍率方式により評価する。

・相続税が発生している場合、取得費加算の特例も適用する。

 

 

参考条文

第二十二条(評価の原則)

特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

 

 

 

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