10年以内に立て続けに相続が発生!そんなときに受けられる相次相続控除を解説します

7年前に祖父が亡くなり、相続人の父に代わって相続手続きや相続税の申告を進めました。先日父が亡くなり、相続税について税理士さんに相談したところ「相次相続控除」というのがあると教えてもらいました。仕組みがよくわからず、教えていただけないでしょうか。

  • 相次相続控除とは、短期間で相続が続いたときに使える相続税の控除のひとつ
  • 控除を受けるための要件は次の3つ
    ①一次相続で財産を取得した人の(二次相続の)相続人であること
    ②二次相続が、一次相続より10年以内に発生していること
    ③一次相続で、(二次相続の)被相続人が相続税を納税していること

 

短期間のうちに、相次いで相続が発生したとき、もし相続税の申告の対象だった場合、相続税も短期間のうちに2回納税することになってしまいます。

 

このような場合には、相続税の負担が短期間で重くなりすぎるということから、相続税の負担を軽減できる制度があります。

これを「相次相続控除」といいます。

 

この記事では、相似相続控除について、控除を使うための要件や計算方法などをご紹介していきます。

 

1.短期間で相続が続いたときに使える相続税の控除

冒頭でもお伝えしたように、相次相続控除とは、短期間で相続が続いたときに使える相続税の控除のひとつです。

 

どういうものかわかりやすくお伝えするために、具体例を挙げて見ていきましょう。

 

【例】

相次相続控除とは、短期間で相続が続いたときに使える相続税の控除のひとつです。たとえば、祖父の死亡により、相続税が500万円、その2か月後に父が死亡し相続税が1,000万円だった場合、短期間のうちに2回、合計1,500万円の相続税がかかることになります。

 

例えば、祖父が亡くなって、祖父の財産(1億円)を父が全て引き継ぎました。

父はそのとき、相続税(500万円)を納税しました。

(これを一次相続といいます。)

 

しかし、その後不幸がかさなってしまい、父は祖父の死後1年もしないうちに亡くなってしまいました。

あなた(自分)は、父の財産を引き継ぐ相続人です。

(これを二次相続といいます。)

 

父の財産は、祖父の財産(1億円)から相続税(500万円)を引いた9,500万円です。(ここでは話を簡単にするため、父独自の財産はなかったとします。)

このとき、あなたが相続する9,500万円にも、あらためて相続税が課税されます。

 

あなたが納税すべき相続税が1,000万円だったとすると、短期間のうちに

  • 500万円(一次相続の相続税額)
  • 1,000万円(二次相続の相続税額)

の2回も納税することになります。

 

そこで、相次相続控除という制度により、「あなたが納税すべき1,000万円から、相次相続控除により一次相続で納税した500万円を控除することができる」のです。

 

この制度により、短期間に相次いで相続があった場合でも、相続税の負担を軽減することができます。

 

2.相次相続控除が受けられる3つの要件

相次相続控除が受けられるのは、次にあげる3つの要件をすべて満たす人になります。

 

(1)被相続人の相続人であること

この制度の適用対象者は、(二次相続で亡くなった人の)相続人に限定されています。そのため、

  • 家庭裁判所で相続の放棄をした人
  • 相続権を失った人
  • (遺言書等の)遺贈により財産を取得した人

は、この制度は適用できません。

 

例えば、

私は父の相続を放棄しました。ですが、父を被保険者、私を受取人とする死亡保険金を受け取ったため、相続税の納税が発生しました。

このような場合、「私」はそもそも相続を放棄しているため、相次相続控除の適用を受けられません。

 

(2)その相続の開始前10年以内に開始した相続により、被相続人が財産を取得していること

その相続の開始前10年以内に開始した相続により、被相続人が財産を取得していること

考え方としては、

  1. 父の相続(二次相続)からみて、祖父の相続(一次相続)が10年以内にあること
  2. その一次相続の際に、父が相続により財産を取得していること

この2つを満たす必要があります。

 

(3)その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、被相続人に対し相続税が課税されたこと

先の(2)の要件に加える形で、その前の相続(一次相続)が10年以内で、かつ相続税が発生し、納税していることが要件になります。

 

国税庁HP(No.4168 相次相続控除)参照

 

3.相次相続控除の計算式と実例

相次相続控除額は、次の計算式から求めることができます。

(詳しくは、上述の国税庁HPをご参照ください。)

相次相続控除の計算式

 

このA~Eに当てはまるものについて、次の例で見ていきましょう。

 

【例】

(例)自分からみて「祖父の相続」が一次相続、その財産を相続した父が亡くなったことにより発生した「父の相続」が二次相続となる

 

  • 祖父の死亡(一次相続)
    ・相続人     :父
    ・相続財産  :1億円
    ・相続税納税額:500万円

だったとします。

 

しかし、不幸がかさなり、祖父の財産を引き継いだ父が、相続税の納税をすませて、祖父の死後3年5か月後に亡くなってしまいました。

 

  • 父の死亡(二次相続)
    ・相続財産  :2億円
    →祖父から引き継いだ財産9,500万円(1億円-納税額500万円)+父独自の財産の合計)
    ・相続税納税額:2,000万円

 

このような状況で、あなた(孫)が受けることができる相次相続控除の金額は次のように計算します。

 

祖父から父への一次相続と、父から自分への二次相続における、計算式に当てはまる数字

 

これらを計算式に当てはめると、次のようになります。

 

上記の事例から求められる数字を計算式に当てはめると、350万円になる

※前回の相続(一次相続)において課税された相続税額500万円のうち、1年につき10%の割合で(3年)逓減した後の金額になります。

 

※計算式についても、詳細は国税庁のHP(No.4168 相次相続控除)をご確認ください。

 

4.相次相続控除を受ける方法

相次相続控除を受けるためには、下図のような計算書(相続税の申告書 第7表)を作成し、相続税の申告をする際に一緒に提出することになります。

相次相続控除額の計算書(見本)

国税庁のHPより引用

 

ここには、一次相続の内容を記載する必要があります。

そのため、一次相続の「相続税申告書控え」も用意しましょう。

 

5.まとめ

お伝えしてきましたように、10年以内という短期間に相次いで相続があり、要件を満たした場合には相次相続控除の適用を受けることができます

 

適用の要件や、どれくらい控除されるのか計算方法などについては、この記事を参考にしていただければと思います。

 

二次相続でスムーズに相次相続控除の適用を受けるためには、一次相続の相続税申告の内容を二次相続の相続人が把握していることが必要になります

 

ご家庭によっては、一次相続の申告内容をオープンにしているケースもあるかと思いますが、親子とはいえ、例えば父が、自分が元気なうちに祖父から相続した財産内容をわが子(自分)に、相続税申告書の控えを渡してオープンにするかというと、決して多くはないかもしれません。

 

実際、二次相続の申告手続きのお手伝いをしているなかで、一次相続について相続人様にお尋ねしても、「一次相続のことは何も知らない(親から何も聞かされていない)」というケースがよくあります。

 

上記を踏まえて、できる対策としては、一次相続の時の相続人がポイントになります。

一次相続で

  • 相続人として財産を取得し、相続税を納税された方

かつ

  • 二次相続でも相続税の納税が見込まれるような方
    (二次相続で相次相続控除の適用を受けられることが考えられる方)

は、一次相続から10年以内に、少なくとも何らかの形で、一次相続の相続税申告書の控えを(二次相続の)相続人の方が入手できるよう、手配を整えておいた方がスムーズといえます。

二次相続を見据えて、自分の相続人になるであろう人に、一次相続の申告内容を共有しておくことが大切

 

もし、自分が元気なうちに一次相続の内容をオープンにできなくても、

  • 一次相続で相続税を納税した事実
  • 一次相続の申告をお願いした税理士さん

などを、相続人となる方に知らせておくだけでもよいかもしれませんね。

 

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この記事を執筆した専門家

この記事を執筆した専門家 滝 亮史
  • 税理士

滝 亮史

Ryoji Taki

近畿税理士会 東支部 第107863号
大阪府中小企業診断士会 第411767号

相続税申告、生前対策に強い税理士、中小企業診断士。大手税理士法人での経験を活かし、”今”だけでなく”次の相続”を見据えたベストな方法をご提案する。CISコンサルティング税理士法人、CISコンサルティング株式会社の代表税理士。

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