生活保護受給中に遺産相続したらどうなる?打ち切り・申告・相続放棄の注意点を解説

生活保護を受けて暮らしています。先日、離れて暮らしていた父が亡くなり、私が預貯金や実家を相続することになりそうです。遺産を受け取ったら、生活保護は打ち切られてしまうのでしょうか。役所への報告は必要ですか。いっそ相続放棄をした方がいいのかも分からず、不安で手続きが進められません。

  • 生活保護を受給していても、相続することはできる

 

結論から申し上げますと、生活保護を受給していても、遺産相続をすることはできます。

生活保護を受けているという理由で相続権を失うことはありません。

 

ただし、相続した財産の内容や金額によっては、生活保護が停止・廃止または減額されることがあります

また、相続が発生したことは、必ず福祉事務所へ報告しなければなりません

 

ここで一番避けていただきたいのは、「保護を打ち切られたくないから」と相続を隠してしまうことです。

相続は金融機関等の記録に必ず残るため、後から判明した場合には、それまでに受け取った保護費の返還を求められるなど、かえって大きな不利益につながります。

 

同じ理由で、「生活保護を続けるための相続放棄」も慎重に判断する必要があります

 

この記事では、遺産を相続すると生活保護がどうなるのか、その判断基準と福祉事務所への正しい報告の仕方、相続放棄の考え方まで、わかりやすく解説します。

 

なお、相続のお手続きそのものを進めるのが難しい場合には、当センターで代行することも可能です。

その場合の費用は相続される遺産の中から精算できますので、「手元にお金がないから相談できない」とあきらめる必要はありません。

詳しくは記事の後半でご説明します。

 

目次【本ページの内容】

1. 結論:生活保護受給中でも遺産相続はできる

生活保護を受給している方が相続人となった場合、「自分は遺産を受け取ってもいいのだろうか…」と不安に感じる方は少なくありません。

まずは前提となる考え方から整理します。

 

1-1. 生活保護を受けていても相続権は失われない

誰が相続人になるかは、民法のルールに基づいて決まります。

そのため、生活保護を受けているという理由だけで、相続権を失うことはありません。

 

亡くなった方のお子様であれば相続人になりますし、遺産分割協議に参加する権利も、他の相続人の方と何ら変わりません。

 

1-2. ただし「利用できる資産は生活のために活用する」のが生活保護の原則

一方で、生活保護制度には「利用し得る資産は、生活の維持のために活用する」という考え方があります(生活保護法第4条)。

 

生活保護は、自分の資産や能力を活用してもなお生活に困窮する場合に受けられる制度です。

そのため、遺産を相続した場合には、まずその財産を生活費に充てることが求められます。

 

つまり、

  • 相続すること自体は可能
  • ただし、相続した財産の内容によっては、その後の生活保護の取り扱いに影響が出る

という2つを分けて理解しておくことが大切です。

 

どのような場合に保護が停止・廃止されるのかは、次の章で財産の種類ごとに詳しく解説します。

 

1-3. 一番避けるべきなのは「相続を隠すこと」

「保護を打ち切られたくないから、相続したことは黙っておこう」と考えてしまう方もおられると思います。

 

お気持ちは分かりますが、これが一番避けていただきたい選択です。

 

相続手続きは、不動産の登記事項、金融機関の記録など、必ず形に残ります。

福祉事務所には資産状況を調査する権限もあるため、相続の事実を隠し通すことは、実際にはできません。

 

後から判明した場合には、それまでに受け取った保護費の返還を求められたり、悪質と判断されると不正受給として扱われたりと、正直に報告した場合よりもはるかに大きな不利益を受けることになります(詳しくは3章で解説します)。

 

繰り返しになりますが、相続すること自体は何も悪いことではありません。

大切なのは、隠さず、早めに、正しい手順で進めることです。

 

2. 遺産を相続すると生活保護はどうなる?停止・廃止・減額の判断基準

遺産を相続したからといって、必ず生活保護が打ち切られるわけではありません

影響は、相続した財産の種類や金額によって大きく異なります。

 

まず「停止」と「廃止」の違いを押さえたうえで、財産の種類ごとに見ていきましょう。

 

2-1. 「停止」と「廃止」の違い

生活保護がなくなる場合には、「停止」と「廃止」の2つがあり、意味が大きく異なります。

 

【停止】

保護が必要ない状態が一時的なものと見込まれる場合の措置です。

保護費の支給は止まりますが、受給者としての立場は残ります

そのため、相続した財産を使い切って再び生活に困ったときは、停止が解除されて保護が再開されます。

 

【廃止】

保護が必要ない状態が今後も続くと見込まれる場合の措置です。

この場合は保護そのものが終了するため、再び生活に困ったときは、改めて申請をすることになります。

 

一般的に、相続した財産で当面の生活費はまかなえるものの、比較的短い期間で使い切ることが見込まれる場合には「停止」、生活を立て直せるだけの十分な財産を相続した場合には「廃止」と判断される傾向があります。

ただし、「いくら以上なら廃止」といった全国一律の明確な基準はありません。

世帯の人数や生活費、財産の内容を踏まえて、福祉事務所が個別に判断します。

 

2-2. 現金・預貯金を相続した場合

現金や預貯金を相続した場合、その金額によっては「一定期間はその資産で生活できる」と判断され、生活保護が停止または廃止となることがあります。

 

なお、「いくらまでなら大丈夫」といった明確な基準はありません。

世帯の状況や生活費などを踏まえて、個別に判断されます。

少額であっても報告は必要ですので、自己判断で「これくらいなら言わなくていいだろう」と考えるのは禁物です。

 

2-3. 自宅や居住用の不動産を相続した場合

居住用の不動産については、生活の基盤として必要と認められる場合、保有が許容されるケースもあります。

ただし、処分価値が利用価値に比べて著しく大きい高額な不動産である場合や、売却が可能である場合などには、売却して生活費に充てるよう求められることもあります。

 

2-4. 売れにくい不動産(山林・農地・空き家)を相続した場合

山林や農地など、すぐに売却できない不動産については、ただちに生活費に充てることが難しいため、保有が認められることもあります。

 

ただし、将来的に売却可能と判断される場合には、処分を求められる可能性もあります。

 

2-5. 車や高価な動産を相続した場合

自動車や高価な動産についても、「生活に必要かどうか」が判断の基準となります。

 

このような財産を相続したからといって、絶対に生活保護が打ち切られるというわけではありません。

ただし、必要性が低いと判断された場合には、売却して生活費に充てるよう求められることがあります。

 

2-6. 保護が廃止されても、再び困窮すれば再申請できる

「一度廃止されたら、二度と生活保護は受けられないのでは」と心配される方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。

 

相続した財産を生活費に充てて、それを使い切った後に再び生活に困窮した場合には、改めて生活保護を申請することができます。

過去に相続を理由に保護が廃止されたことが、再申請の妨げになることはありません

 

「廃止が怖いから相続を隠す」のではなく、「いったん遺産で生活し、必要になればまた申請する」というのが、制度の本来の使い方です。

この点を知っておくだけでも、報告への不安はかなり軽くなるはずです。

 

3. 相続したことを申告しないと「ばれる」?隠した場合に起こること

「報告したら保護を打ち切られるかもしれない。黙っていれば分からないのでは……」と考えてしまう方は、実際に少なくありません。

 

しかし結論から言うと、相続の事実を隠し通すことはできません。

 

その理由と、隠した場合に起こることを説明します。

 

3-1. 福祉事務所には資産を調査する権限がある

生活保護を実施する福祉事務所には、受給者の資産や収入の状況を調査する権限が法律で認められています(生活保護法第29条)。

 

具体的には、銀行などの金融機関や官公署に対して、受給者の資産状況について報告を求めることができます。

金融機関への照会によって、口座への入金の動きは把握されますし、不動産の登記情報も調査の対象になります。

 

また、生活保護を受給している間は、定期的に資産状況を申告する義務があり、ケースワーカーによる訪問調査も行われます。

 

「申告しなければ分からない」という前提自体が成り立たない仕組みになっているのです。

 

3-2. 相続は必ず記録に残る手続き

そもそも相続は、その性質上、必ず公的な記録に残ります

 

ご家族が亡くなれば死亡届が出され、戸籍に記録されます。

預貯金を受け取るには金融機関で相続手続きが必要ですし、不動産を相続すれば名義変更の登記が行われ、登記簿に記録されます。

2024年からは相続登記そのものが義務化されています。

 

つまり、遺産を「受け取る」ためには、記録に残る手続きを避けて通ることができません

 

今は発覚しなくても、数年後の調査で判明するケースは珍しくなく、その場合、後で説明する返還額は発覚が遅れるほど膨らんでいきます。

 

3-3. 保護費の返還・上乗せ徴収を求められる

ここで知っておいていただきたいのは、正直に報告した場合と、隠していた場合とでは、扱いがまったく違うということです。

 

正直に報告した場合でも、相続した財産の内容によっては、亡くなられた日にさかのぼって「資力があった」とみなされ、その間に受け取った保護費の返還を求められることがあります(生活保護法第63条)。

ただしこれは不正でも罰でもなく、あくまで「本来必要なかった分の精算」です。

 

一方、相続の事実を隠していた場合には、不正受給として扱われ、受け取った保護費の徴収に加えて、最大40%の上乗せを求められる可能性があります(生活保護法第78条)。

当然、保護の停止・廃止の判断も厳しいものになります。

 

3-4. 悪質と判断されると詐欺罪に問われる可能性も

さらに、資産があることを認識しながら意図的に隠して保護を受け続けるなど、悪質と判断されるケースでは、詐欺罪として刑事責任を問われる可能性もあります。

実際に、不正受給で逮捕・起訴に至った事例は報道されています。

 

「少額だから大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、必ず福祉事務所へ相談してください。

繰り返しになりますが、正直に報告して精算する分には、罰則的な扱いを受けることはありません。

報告のタイミングと伝え方は、次の章で具体的に説明します。

 

4. 生活保護受給者は相続放棄できる?

「生活保護を受けているなら、相続放棄をしたほうがよいのでは?」と考える方は多いのですが、この点は特に誤解が多いため注意が必要です。

 

4-1. 「保護を続けるため」だけの相続放棄は慎重に

相続放棄は、家庭裁判所に申述して行う手続きです。

法律上、生活保護を受けているからといって相続放棄ができないわけではありません。

 

しかし、「生活保護を維持するため」という理由だけで安易に相続放棄をすることは、適切とはいえない場合があります

1章でお伝えしたとおり、生活保護には「利用できる資産は生活の維持のために活用する」という原則があるためです。

本来生活費に充てられるはずの財産を放棄することは、この制度の趣旨に反すると評価される可能性があります。

 

その結果、相続放棄をしたにもかかわらず、保護の継続について厳しい判断を受けるおそれもあります。

 

放棄を考える場合には、必ず事前に福祉事務所へ相談してください。

 

4-2. 借金の方が多い場合は相続放棄が合理的

一方で、相続財産よりも借金のほうが多い場合には、相続放棄を行うことが合理的です。

 

マイナスの財産を相続してしまうと、かえって生活が立ち行かなくなってしまいます。

このようなケースでの相続放棄は、生活保護との関係でも問題になりにくいと考えられます。

 

なお、相続放棄には「相続の開始を知ったときから3か月以内」という期限があります。

借金があるかどうか分からない場合は、この期限内に財産調査を進める必要があるため、早めに動くことが大切です。

 

4-3. 管理負担の大きい財産(処分困難な不動産など)の場合

例えば、買い手のつかない山林や空き家など、売却が難しいうえに管理費や固定資産税の負担だけが続く財産もあります。

 

このような「持っているだけで生活を圧迫する財産」については、相続放棄を検討する余地がある場合もあります。

 

この場合も、自己判断せず、福祉事務所への相談とあわせて専門家の意見を聞くことをおすすめします。

 

4-4. 相続放棄の可否と保護の継続は「別の問題」

ここで重要なのは、「相続放棄が認められるかどうか」と「生活保護が継続できるかどうか」は、別の問題であるという点です。

 

  • 相続放棄の可否 → 家庭裁判所の判断
  • 生活保護の継続 → 福祉事務所の判断

 

家庭裁判所で相続放棄が受理されたからといって、福祉事務所が保護の継続を約束してくれるわけではありません。

この2つは別々に判断されるため、放棄を検討する段階で、必ず両方を見据えて相談しておくことが大切です。

 

5. 福祉事務所への報告はいつ・どう伝えればいい?

生活保護を受給している方は、生計に影響を与える変化があった場合、速やかに福祉事務所へ届け出る義務があります。

相続もその一つです。

とはいえ、「いつ・何を伝えればいいのか」が分からず不安な方も多いと思いますので、具体的に説明します。

 

5-1. 報告すべき4つのタイミング

相続に関しては、次のタイミングで福祉事務所のケースワーカーに相談・報告することが重要です。

 

  • 相続が発生したことが分かったとき
  • 財産の内容がおおよそ把握できたとき
  • 相続放棄を検討しているとき
  • 遺産分割の方針を決める前

 

ポイントは、「すべてが確定してから報告する」のではなく、節目ごとに早めに相談しておくことです。

早い段階から状況を共有しておけば、福祉事務所側も見通しを持って対応でき、後から「なぜ黙っていたのか」と疑われるトラブルを防ぐことにつながります。

 

5-2. ケースワーカーに聞かれること・求められる書類

報告の際には、主に次のようなことを確認されます。

 

  • どなたが亡くなったのか(あなたとの関係)
  • 相続人は誰か(あなたのほかに誰がいるか)
  • 相続財産にどのようなものがあるか(預貯金・不動産・借金など)
  • あなたが相続する見込みの内容と金額

 

また、状況に応じて、遺産分割協議書の写し、預貯金の残高証明書、不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書といった書類の提出を求められることがあります。

最初の報告の時点で、すべてが分かっている必要はありません。

「父が亡くなり、相続人になりました。財産の内容はこれから調べます」という第一報だけでも十分です。

 

5-3. 正確な財産目録があると、報告も保護の判断もスムーズに進む

福祉事務所が保護の停止・廃止を判断するうえで基準になるのは、「結局、あなたがいくらの財産を相続するのか」です。

 

そのため、相続財産の全体像を一覧にした財産目録を作成し、それをもとに報告すると、ケースワーカーとの話が格段にスムーズに進みます。

あいまいな報告のまま手続きが進むと、後から財産が見つかったために報告内容に食い違いが生じ、余計な疑いを招くことにもなりかねません。

 

ただし、亡くなった方の財産をすべて正確に調べるのは、実は簡単ではありません。

どこの銀行に口座があるのか、不動産がどこにあるのか、借金はないのか、など。

離れて暮らしていたご家族であればなおさらです。

 

この「財産調査」が、次の章でお話しする相続手続きの最初のハードルになります。

 

6. 保護のことと並行して、相続手続きそのものも進める必要がある

ここまで、生活保護への影響と福祉事務所への報告について説明してきました。

 

しかし実際には、もう一つやるべきことがあります。

相続手続きそのものです。

 

遺産は、待っていれば自動的に振り込まれるものではありません。

ご自身で手続きを進めて、はじめて受け取ることができます。

 

6-1. 相続手続きの全体の流れ

相続が発生してから遺産を受け取るまでの流れは、おおまかに次のとおりです。

 

  1. 戸籍を集めて、相続人が誰かを確定する
  2. 亡くなった方の財産(預貯金・不動産・借金など)を調査する
  3. 相続人全員で遺産の分け方を話し合う(遺産分割協議)
  4. 話し合いの結果を遺産分割協議書にまとめ、全員が実印を押す
  5. 協議書をもとに、銀行の解約・払い戻しや不動産の名義変更を行う

 

かなり端的にまとめた5つのステップですが、それぞれに役所や金融機関とのやり取りが発生し、すべて完了するまでに数か月かかるのが一般的です。

 

より詳しいステップは下記のページでご紹介しています。ぜひご覧ください。

 

6-2. 相続手続きでつまずきやすい3つの壁

相続手続きのポイントはたくさんありますが、多くの方がつまずくのが次の3つです。

 

①戸籍集め

相続手続きでは、亡くなった方の「出生から死亡まで」の連続した戸籍が必要です。

本籍地を何度も移している方の場合、複数の市区町村に郵送で請求を重ねることになり、これだけで1〜2か月かかることも珍しくありません。

 

②財産調査

どこの銀行に口座があるのか、不動産は実家のほかにもあるのか、借金は残っていないのか。

亡くなった方と離れて暮らしていた場合、手がかりが乏しく、調査は手探りになります。

借金の有無は相続放棄の判断(3か月の期限)にも直結するため、後回しにできません。

 

③他の相続人との話し合い

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があり、一人でも欠けると無効です。

長年連絡を取っていない兄弟姉妹がいる場合、連絡先を探すところから始めなければならないこともあります。

 

6-3. 財産の全容が分からなければ、福祉事務所への報告も正確にできない

そしてもう一つ、生活保護を受給している方にとって見落とせないのは、相続手続きの進み具合が、福祉事務所への報告の正確さに直結するということです。

 

5章でお伝えしたとおり、保護の停止・廃止は「あなたが結局いくら相続するのか」をもとに判断されます。

財産調査が進まなければ報告内容も確定せず、保護の取り扱いも宙に浮いたままになってしまいます。

 

つまり、生活保護を受給している方の相続は、「手続きを正確に、できるだけ早く進めること」が、遺産を受け取るためだけでなく、保護との関係を安心して整理するためにも重要なのです。

 

ご自身で進めるのが難しいと感じる場合の選択肢については、8章でご説明します。

 

生活保護を受けていることもあって、誰に相談していいか分からない。かといって、専門家に頼むお金もない…。

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7. 相続人の中に生活保護受給者がいる場合、他のご家族が注意すること

ここまでは生活保護を受給しているご本人に向けて説明してきましたが、この章は視点を変えて、「相続人の中に生活保護を受けている家族がいる」という方に向けたお話です。

 

「弟は生活保護を受けているから、遺産を渡すとかえって迷惑になるのでは・・・」

ご家族の間でこうした配慮から、受給者の取り分をなくす方向で話がまとまりかけるケースは少なくありません。

しかし、これには注意が必要です。

 

7-1. 受給者の取り分を意図的にゼロ、または少額にする遺産分割は要注意

大前提として、家族で話し合い(遺産分割協議)、相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる分け方をすることも自由です。

そのため、「生活保護受給者の取り分をゼロにする」という協議も、相続の手続きとしては成立します。

 

しかし、生活保護との関係では話が別です。

 

本来相続できたはずの財産をあえて受け取らないことは、相続放棄の場合と同じく、「利用できる資産を生活のために活用する」という生活保護の原則に反すると評価されるおそれがあります。

 

その結果、ご本人の保護の継続について厳しい判断がなされたり、後から問題を指摘されたりする可能性があります。

 

「保護を継続して受けるため」のはずの配慮が、かえってご本人を不利な立場に追い込んでしまいかねないことには要注意です。

 

7-2. 遺産分割協議の前に福祉事務所へ相談を

そういった事態になってしまうことを避けるために大切なのが、遺産の分け方を決めてしまう前に、福祉事務所へ相談しておくことです。

 

福祉事務所への報告・相談はご本人が行うことになりますが、家族間で分け方の方針を固める前に「このような分け方を考えているが、保護との関係で問題はないか」と確認しておけば、後から協議をやり直すような事態を防げます。

 

7-3. 遺産分割協議書の作成で気をつけること

協議がまとまったら、その内容を遺産分割協議書にまとめます。

このとき、相続人の中に生活保護を受給している人がいる場合には、次の点に気をつけてください。

 

まず、誰が・何を・どれだけ相続するのかを明確に記載することです。

 

当たり前のことではありますが、協議書は福祉事務所への報告資料にもなるため、内容があいまいだと、ご本人の保護の判断に余計な時間がかかってしまいます。

 

また、預貯金の分配で代表相続人がまとめて受け取ってから分ける方式をとる場合、ご本人がいつ・いくら受け取るのかが分かるようにしておくことも大切です。

実際の入金時期と報告内容がずれると、ご本人が無用な疑いを受けることになりかねません。

 

なお、相続人の中に生活保護を受けている方がいるケースの遺産分割は、分け方そのものに加えて、福祉事務所への説明まで見据えた準備が必要になります。

 

このあたりの判断に迷われる場合は、協議書を作る前にご相談ください。

福祉事務所への説明も見据えて、分け方や書類の整え方をサポートいたします。

 

8. ご希望の場合は、相続手続きの代行も可能です

ここまで読んで、「やるべきことは分かったけれど、一人でこれを全部進めるのは難しそう・・・」と感じた方もいらっしゃると思います。

そうした場合、相続手続きを専門家に代行してもらうという選択肢があります。

当センターでは、戸籍集めから財産調査、銀行や不動産の手続きまで、相続に必要な手続きをまとめてお引き受けしています。

 

8-1. 当センターがお手伝いできること

 

 

やるべきことは分かったけれど、一人で進めるのは難しい

そう感じられたら、どうぞお気軽にご相談ください。

当センターでは、戸籍集めから財産調査、銀行口座や不動産の手続きまで、相続に必要なお手続きをまとめて代行いたします。

作成した財産目録や遺産分割協議書は、そのまま福祉事務所へのご報告にもお使いいただけます

代行費用は、相続される遺産の中から精算が可能です。
今、手元にまとまったお金がなくても、ご依頼いただけます。

遺産相続手続きをまごころとご一緒に 0120-0556-52

 

 

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この記事を執筆した専門家

この記事を執筆した専門家 嶋田 裕志
  • 特定行政書士
  • 宅地建物取引士

嶋田 裕志

Yuji Shimada

日本行政書士会連合会 11260290号
大阪府行政書士会 第6071号
宅地建物取引士 第090938号

相続・遺言専門の行政書士として15年を超える実績。年間の相談対応件数は2,000件超え、行政書士の範囲だけでなく、相続税や不動産など相続に関する幅広い知識を持つ。全国各地を飛び回り、孤独死されたご自宅内での遺留品の捜索や不動産の売却のサポートまで対応。新聞、雑誌、WEBメディアなどの取材実績も多数。G1行政書士法人の代表。

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