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父が残した公正証書遺言の内容を無効にできる!?

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父が残した公正証書遺言の内容を無効にできる!?

父は、亡くなる前に公正証書遺言を作成していました。死後、いざ内容を見てみると全く納得がいきません。具体的には「財産の30%をユニセフに寄付する」という部分ですが、無効にすることはできますか?

 

予想もしていなかった人に財産を譲る旨の遺言書。

相続人の立場からすると、納得できない気持ちがわからないこともありません。

本来なら自分が相続するはずだったものが、法定相続人以外(第三者)のものになるわけですから。

 

では、その公正証書遺言を無効にできるかどうかというと、

答えはNOです。(基本的には)

 

その理由について解説していきます。

 

1.民法が定める公正証書遺言の成立条件

 

今回発見された遺言書は「公正証書遺言」です。

事前に公証人と作成し、公正役場にてその内容を証明し、保管する方式です。

 

この作成方法について、法律では以下のように定められています。

<民法第969条>

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一  証人二人以上の立会いがあること。
二  遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三  公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四  遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 

なかなか難しい書き方ですが、公正証書遺言がいかに厳格に作られたものであるかは想像つくと思います。

 

これらの要件を満たして作成されるのが公正証書遺言であるため、やはり無効にすることは難しいです。

 

しかし、絶対に無理かというと、今までの判例からも「無効」と判断されたケースはあります。

 

具体的にどういう状況が考えられるでしょうか。

それはつまり、要件のどれかが成立しなかった場合です。

その具体例として、3つご紹介します。

 

1-1.無効となるケース①遺言能力(意思能力)がない場合

 

遺言能力とは、遺言の内容を理解し、遺言の結果をきちんと理解できる意思能力のことをいいます。

意思能力がない、つまり遺言能力がない場合、その作成された公正証書遺言は無効となります。

遺言書はご自身の意思を反映したものであるため、そもそも意思能力がない方が作成した遺言書は、その遺言者の意思を反映したものとは言い難いものになります。

 

例えば、高齢で認知証の方がいたとします。

そのことを知っていた兄弟がすべての財産を獲得するために、自分に有利な遺言書の内容を考え、それをご本人に渡したとします。

この方は口授する能力はあるので公証人と打ち合わせし、公証役場にて口授できたとすると…

 

実際に、公正証書遺言が無効となったケースでは、この事由(遺言書作成時点での意思能力の有無)が圧倒的に多いようです。

 

1‐2.無効となるケース②口授を欠いた場合

 

「口授」とは、「その内容を自身で直接読み上げ伝えること」です。

 

では、その「口授を欠く」という状況なのか。

具体的にいうと、例えば前章(1-1章)の例のように、第三者が用意した遺言内容を公証人と作成したとします。

当日、公証役場にてその内容を読み上げるところまでできたとしても、その内容に対し公証人がした質問についてはただ頷くだけで、それが本当に本人の真意であるか確認ができなかった、といった場合です。

これではメモを読み上げただけで、口授したとは認められません。

 

1-3.無効となるケース③錯誤無効の場合

 

「錯誤」とは、いわゆる「勘違い」だと考えてください。

 

その錯誤にもいろいろ種類があり、

  • 表示上の錯誤
    (書き間違いや言い間違い等)

  • 表示行為の意味に関する錯誤
    (考えていることと言っていることは合っているが、考えていること自体が勘違いしている)

  • 動機の錯誤
    (その考えに至るまでのきっかけに勘違いがある)

 

が挙げられます。

そしてこの錯誤について、法律では以下のように定められています。

 

<民法第95条>

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 

ここでいう「法律行為」とは、公正証書遺言を作ることを指します。

そのため、前章1-1章1-2章のように本人の意志で書かれたものではない内容は、無効になるということです

 

ただ、遺言書を発見した時点ですでに遺言者が亡くなってしまっている状況を考えると、それが果たして錯誤だったのかどうかという点では水掛け論になるかもしれません。

1-1章の遺言能力という点であれば、その作成時点での認知症の診断書などがあれば、客観的な証拠になりやすいです。)

 

2.まとめ

 

今回ご相談いただいた公正証書遺言は、上記のいずれにも当てはまりませんでした。

遺言内容に納得のいかないご相談者様のお気持ちもとてもよくわかります。

しかし、相続財産はお父様の所有されていた財産であり、その意思を尊重するために遺言書の存在が法律で認められていますので、その意思を汲み取ってあげるというのも一つの親孝行かと思います。

 

※※余談※※

「無効」ではありませんが、「無視する」という方法はあります。

(当方では遺言者の意思を最優先に考えますので、ここではご説明は控えさせていただきます)

 

 

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