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【相談事例】故人名義のままの不動産。固定資産税は誰が払うの?

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【相談事例】故人名義のままの不動産。固定資産税は誰が払うの?

市役所から祖父名義の土地の固定資産税の納付書が孫の私宛に届きました。昨年までは亡くなった父が払っていたようです。
私は父の相続人になりますが、まだ遺産分割協議がまとまっておらず土地を相続していません(というか、そもそも祖父名義のままです)。
この固定資産税は誰が支払わなければならないのでしょうか。

 

不動産に関する相続手続きは、相続税申告のような期限がありません。

 

 

なので、ずっと名義変更をしないまま、つまり、相続手続きをしていない家や土地に住んでいるという方もたくさんおられます。

 

 

ただ、だからといってお手続きを先延ばしにしておくと、今回のご相談のような問題に直面することになってしまいます。

(今回のようなご相談どころではなく、とんでもなく大変な問題になってしまうこともあります)

 

 

そのような事態に陥らないよう、相続手続きにおける不動産手続きについて押さえておくべき点を全てお伝え致します!

 

 

 

目次【本記事の内容】

 

1.故人名義の不動産

 

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1-1.固定資産税の納税義務者は誰?

 

まず結論から申しますと、遺産分割協議の前、つまり相続手続き完了前の状況では、相続人全員に納税の義務が発生していることになります。

 

 

そもそも固定資産税とは、土地・家屋・償却資産に対してかけられる税金のことであり、その納税義務者は毎年1月1日現在の所有者です。

 

 

ただし、1月1日より前に所有者として登記されている人が亡くなられている場合などには、1月1日現在でその固定資産を現に所有している人が納税義務者になります。

 

 

【参考条文】

 

〇地方税法第343条(固定資産税の納税義務者等)

固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。)に課する。

 

(第1項)

前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律第二条第二項 の区分所有者とする。以下固定資産税について同様とする。)として登記又は登録されている者をいう。

この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているとき、若しくは所有者として登記又は登録されている法人が同日前に消滅しているとき、又は所有者として登記されている第三百四十八条第一項の者が同日前に所有者でなくなつているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。

 

〇地方税法第359条第1項(固定資産税の賦課期日)

固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。

 

 

したがって、その所有者が死亡した後に相続手続きをせずそのままにしておきますと、翌年の課税の際には死亡した所有者に対して課税されることになってしまいますが、当然ながら税金を納めることはできません。

 

 

また、先程も申しましたように、死亡された方の所有していた資産は、相続手続きが済むまでの間は相続人全員の共有状態におかれます。

 

 

そこで、相続人の中で代表者を指定する手続きを行い、「代表相続人」として納税通知書等を受領することになります。

 

 

1-2.代表相続人とは?

 

この「代表相続人」ですが、相続発生後、役所の固定資産税担当課(資産税課)に「代表相続人届」というものを提出することによって決まりますので、今回のご相談の場合はおそらく身内のどなたかがこの届出をされたのだと推測できます。

 

 

ただし、「代表相続人」となったからといって、納税上の全負担を負う、その方が1人で土地・家屋を相続したということにはならず、あくまでも固定資産税を支払う上での便宜上の代表者という認識です。

 

 

このことは下記の条文からも読み取れます。

 

 

【参考条文】

 

〇地方税法第9条、第9条の2 (相続による納税義務の承継)

相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治29年法律第89号)第951条の法人は、被相続人(包括遣贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人の地方団体の徴収金」という。)を納付し、又は納入しなければならない。

ただし、限定承認をした相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。

 

2 前項の場合において、相続人が2人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第900条から第902条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。

 

 

よって今回のご相談者様はあくまでも「代表相続人」であって、全額を支払わなければならないというわけではありません。

 

 

1-3.納税者=権利者にはならないので注意!

 

「固定資産税を払ったんだから私のものです!」という主張をされる方がいるかもしれませんが、固定資産税を支払ったからといって、その不動産を相続する権利が発生するわけではありません

 

 

不動産の名義変更をするためには「相続人全員の合意」が必要ですので、その証明として

 

相続人全員が署名捺印した遺産分割協議書

その押印が実印であることを証明する印鑑登録証明書

相続人「全員」であることを証明する戸籍関係など

 

を一式揃えてはじめて名義変更をすることができます。

 

 

「固定資産税を払う=代表相続人になる=不動産を相続する」

ということではありませんので、お間違えのないように。

 

 

 

2.先に支払った固定資産税について

 

相続人のうちの一人(例えばAさん)が代表相続人として納付書を受け取る

Aさんが個人的に支払う

遺産分割協議をする

Aさん「以外」の人が不動産を相続することになった

 

と仮定します。

 

 

この場合、当然のことですが、先に支払った固定資産税は返してもらえるのかという問題が起こってくるかと思います。

 

 

2-1.立替払いした固定資産税は請求できる?

 

当然と言えば当然ですが、こちらに関しては精算可能です。

 

 

固定資産税は不動産の評価額に基づいて算出されますので、評価額が高ければ何十万円になることもあります。

 

それを返してもらえないとなると大変ですよね。

 

もし返してもらえないということが事前にわかっていれば誰も立て替えて支払ったりしないと思いますので、役所にとっても大きな税収を失うことに繋がってしまいます。

 

 

ではその立て替えて支払った固定資産税、誰に返して欲しいと請求すれば良いのでしょうか?

 

 

2-2.固定資産税の請求先は?

 

まず、既に支払った税金を精算できる理由はなんでしょうか?

 

 

考え方はこうです。

 

 

遺産分割協議によって不動産を相続する人が決まれば、不動産の所有者は当然ながらその人になり、その人が固定資産税を納める義務を負うことになりますよね。

 

この点についてはおそらく誰も違和感はないと思います。

 

 

これにより、固定資産税の請求先は「故人あるいは代表相続人」から「不動産を相続した人」になります

 

 

そして、その「相続した」という事実の発生時点は被相続人の死亡した時点になりますので、相続した人の納税の義務は、被相続人の死亡日時点に遡ることになるのです。

 

 

今回のご相談者様に上記をお伝えすると、不動産の相続人となる叔父様と妹様が話し合いをされ、まずは一旦納付期限までにお支払いをされることになったようです。

 

後から精算することができるとわかり、きっと安心されたんでしょうね。

 

 

 

3.名義変更せずに放っておくとどうなる!?

 

3-1.デメリットしかありません

 

「自分は相続しないから無視でいいや」と納税通知書を放っておく・・・その気持ち、すごくわかります。

 

 

もう自分が相続しないと決まっている、もしくは決めているのであれば、なぜ後で返してもらえるとしても一旦払わないといけないのかという気持ちになりますよね。

 

 

でも、定められた納付期限を過ぎてしまうと「延滞金」というペナルティが発生することがあります。

 

 

「延滞金?たとえ延滞金がかかったとしても相続しない自分には関係ない」と思われるかもしれませんね。

 

 

しかし、遺産分割協議が成立するまでの間は相続人全員に納税の義務があるとお伝えしました。

 

つまり、その義務を履行しなかった場合、少し極端かもしれませんが、ご自身の財産を差し押さえされてしまう可能性もゼロではないということです。

 

 

 

相続が発生した時点、納税通知書が届いた時点で、相続人の皆様で速やかに話し合いをするようにしましょう。

 

 

仕事や距離の関係で話し合いがなかなか出来ず、とりあえず自分が固定資産税を立替えて支払うという場合は、領収書をきちんと保管しておくことも忘れずに。

 

 

相続手続きのご相談の中で、

 

「不動産は手続き期限がないのでもう少し経ってから考えます」

「不動産の手続きはあとからでもいいですよね」

 

という声をよくいただきます。

 

 

では反対に、今手続きをせずに先延ばしにするメリットは何でしょうか?

何かメリットはありますでしょうか?

 

 

あるとすれば今回のようなデメリットのみです。

 

 

たとえ期限のないお手続きであっても、後回しにするメリットはないと思います

(相続登記の回数を減らすことをメリットと感じられるかもしれませんが、それ以上のリスクがあるかもしれません)

 

 

今回のご相談のように、祖父様の相続人であったお父様が亡くなられ、祖父様の相続関係が変わった(いわゆる数次相続)場合、今まで全然連絡を取っていなかった親族と相続の話をする必要が生じ、より遺産分割協議に時間がかかったり、手続きの際に必要となる戸籍謄本等が増えたり、思ってもいなかったトラブルに発展してしまうリスクもあります

 

(参考事例)

祖父と父が順に他界した後の祖父名義の不動産の手続き

父の相続をする前に母が他界…不動産の名義変更はできる?

 

 

メリット・デメリットという考え方ではなく、いかにリスクを回避するかという視点で考えることが大切です。

 

 

3-2.予防策

 

もしかすると気付いていないだけで、そういった不動産が身の回りにあるかもしれません。

 

 

心当たりがあったりちょっと心配になった場合は、まず、固定資産税評価証明書や名寄帳、登記簿謄本などで誰の名義になっているかを確認してみることをお勧めします。

 

(これらの書類は不動産のある市町村区役所の税関係の窓口法務局等で取得することができます)

 

 

万が一そういった不動産が見つかった場合、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更等多くのお手続きが必要となります。

 

 

故人名義のままの不動産がある、相続人の中に連絡先のわからない人がいる、そんなときは当センターまでお気軽にご相談ください。

 

相続登記を専門とする司法書士が迅速にご対応致します。

 

 

不動産の相続手続きについてはこちらのページで詳しく解説しています。

ぜひご参考下さい。

 

故人が所有していた不動産(自宅、土地、マンション等)の名義変更手続きについて

故人が所有していた相続不動産(土地、建物、マンション等)の売却・買取について

 

 

相続手続きの代行について詳しく知りたい!!方はこちら

サービス内容・手続き料金一覧

 

 

(不動産に関する相談事例)

不動産だけ相続した場合、相続税はどれぐらいかかりますか?

不動産の評価額と実際の売却価格が全然違う!相続税の計算は?

父の相続をする前に母が他界…不動産の名義変更はできる?

祖父と父が順に他界した後の祖父名義の不動産の手続き

不動産の相続登記に必要な書類を教えて下さい

ずっと前に死亡した父の不動産の名義変更手続き

 

 

このページの監修した専門家

成田 豊Yutaka Narita

司法書士行政書士土地家屋調査士
  • 大阪司法書士会3864号
  • 大阪土地家屋調査士会3298号
  • 日本行政書士会連合会09262077号

昭和55年生まれ、大阪府出身。

 

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