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【相談事例】一人が非課税枠を超える保険金を受け取ったときの計算は?

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【相談事例】一人が非課税枠を超える保険金を受け取ったときの計算は?

インターネットでいろいろ調べていると、生命保険は法定相続人1人に対して500万円まで非課税ということを知りました。法定相続人が3人で、母だけが3000万円の保険金を受け取った場合、その計算はどうなるのでしょうか?
また、保険の支払い明細を見ていると、「特約還付金」や「入院保険金」などが支払われているようです。これも生命保険と考えて良いのでしょうか?

 

万が一の病気やケガなどに備え、生命保険の契約している方も多いかと思います。

 

 

今回のご相談者様のように生命保険金の非課税のことは知っていても、

 

それを具体的にどの様に計算すればよいのか?

いろいろ給付を受けたけど一体どれが生命保険金なの?

 

と疑問に思っている方が多いのも事実です。

 

 

今回のご相談は、生命保険金の非課税について詳しくご説明させていただきますね。

 

 

 

目次【本記事の内容】

 

1  生命保険金で相続税の対象になるのは…

 

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生命保険金の非課税のご説明の前に、生命保険金には相続税の対象になるものとならないものがあるのをご存じでしょうか

 

 

昨今、様々な生命保険があります。

 

・お亡くなりになったとき

・病気

・事故

・入院

など、受け取るタイミングやケースは様々ですが、今回のご相談は死亡によって生じる保険金、いわゆる死亡保険金です。

 

 

死亡保険金とは、被保険者であるご家族が亡くなることを条件(きっかけ)として支払われる保険金です。

 

 

この死亡保険金、実は

保険料の負担は誰か

保険金の受取人が誰か

によって、対象になる税金の種類が異なります!

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

まず生命保険契約には、

 

保険事故の対象になる人(被保険者)

保険料を支払う人(保険料負担者)

保険金を受け取る人(受取人)

 

3つの立場があります。

 

 

ご存知の方も多いと思いますが、これらが「誰の名前になっている契約なのか」で区別して考えます。

 

パターン別でそれぞれご紹介します。

 

 

1-1 パターン①相続税

 

相続税の対象となる契約は下記の通りです。

 

被保険者:亡くなられた人

保険料負担者:亡くなられた人

受取人:相続人

 

少しわかりにくいので例を挙げておきますと、例えばお父様がお亡くなりになられたご相続だった場合、

 

・被保険者:

・保険料負担者:

・受取人:

 

という契約がこのパターンに該当します。

 

一般的にはこの形の契約が多いのではないかと思います。

 

 

今回のご相談では”誰が保険料を支払っていたのか”がわかりませんので必ずしもこのパターンに該当するとは言えませんが、もしそうであれば相続税の対象ということになります。

 

 

1-2 パターン②所得税

 

所得税の対象となる契約は下記の通りです。

 

被保険者:亡くなられた人

保険料負担者:相続人

受取人:相続人

 

こちらも上記と同じ家族構成で例を挙げておきますと、

 

・被保険者:

・保険料負担者:

・受取人:

 

という契約がこのパターンに該当します。

 

前述のパターン①相続税との違いは保険料の負担者が受取人自身であるという点ですね。

 

 

子供が保険料を負担して父親の保険に入るというケースはあまりないかもしれませんが、配偶者であればありそうではないですか?

 

 

例として挙げたのはお父様がお亡くなりになられたケースでしたが、例えば

 

・被保険者:母

保険料負担者:父

・受取人:父

 

というケースは結構ありそうですよね。

 

専業主婦である母に保険をかけているが、その保険料は父のお金で支払っているというケースです。

 

 

このケースは相続税ではなく所得税の対象となります。

 

 

1-3 パターン③贈与税

 

贈与税の対象となる契約は下記の通りです。

 

被保険者:亡くなられた人

保険料負担者:相続人

受取人:その他の人

 

こちらも上記と同じ家族構成で例を挙げておきますと、

 

・被保険者:

・保険料負担者:

・受取人:父の妹

 

という契約がこのパターンに該当します。

 

他の2パターンとの大きな違いは受取人が相続人ではない第三者であるという点ですね。

 

 

そもそも相続権がない、つまり遺産を受け取り権利がない人のところに死亡をきっかけとしたお金が支払われるわけですので、感覚的には保険金を第三者に贈与したというイメージです。

 

 

1-4 保険料を複数人で負担

 

契約によっては保険料を複数人で負担している場合もあるかもしれません。

 

この場合、受け取った死亡保険金を保険料を支払った人の負担割合で切り離して考えることになります。

 

 

例えば、死亡保険金3,000万円の死亡保険契約を次のように契約していた場合を考えてみましょう。

 

被保険者:父

保険料負担者:父6割、母4割

保険金の受取人:母

 

 

受け取る死亡保険金3,000万円のうち

 

・被保険者(父)負担=6割

パターン①に該当する1,800万円が相続税の対象

 

・受取人(母)負担=4割

パターン②に該当する1,200万円が所得税の対象

 

という具合です。

 

 

 

いくつかのパターンに分けてご説明しましたが、まとめますと、相続税を考える必要がある生命保険金は

 

死亡保険金のうち、被相続人が保険料を負担していた部分

 

のみということになります。

 

 

 

2 生命保険金の非課税について

 

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ご家族がお亡くなりになられた際、その後の生活のお金をどうするかも心配事の一つですよね。

 

お亡くなりになられた方が働いていた方であれば収入が無くなってしまうわけですので、尚更のことだと思います。

 

しかも、その後の生活の為にかけていた保険にも税金がかかるなんて…と思われる方も多いのではないでしょうか。

 

 

ご安心ください。

 

 

相続税では、お亡くなりになられた後に残されたご家族の生活や貯蓄の増進を図るため、相続税の対象になる死亡保険金のうち一定額までは非課税となっています。

(非課税というのは課税対象外、いわゆる税金がかからないということです)

 

 

この非課税の金額は

500万円×法定相続人の数(※)

で計算します。

 

法定相続人が3人であれば1,500万円までは非課税ということになりますね。

 

※相続人の中に相続放棄の申立てがあった場合でも、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数(もともとの相続人の数)で計算することができます。

 

参考事例:相続放棄をした場合、基礎控除額は1人分(600万円)減りますか?

 

 

ここで一つ大切なことをお伝えしておきます。

 

この非課税枠は相続人が受け取ったものに限られ、相続人以外の方(例えば、長男の奥さんやお孫さんなど)が受け取った場合、その受け取った全額が相続税の対象となります!

 

死亡保険金ならだれが受け取っても非課税枠が使えるわけではありませんので、くれぐれもご注意下さい。

 

 

では、保険金を誰が受け取るのか、保険料を誰が負担したのかをパターン別にもう少しわかりやすく、具体的な数字でご説明します。

 

 

2-1 保険金の全額を一人が受け取るパターン

 

死亡保険金の3,000万円をすべて配偶者(母)が受け取り

保険料の負担は全額が被相続人(父)

法定相続人は3人(母と子供二人)

 

 

保険料の負担は全額被相続人なのでパターン①に該当し、相続税の対象になる生命保険金は3,000万円(A)。

法定相続人が3人なので、3人×500万円=1,500万円(B)が非課税限度額。

 

 

3,000万円(A)-1,500万円(B)=1,500万円が相続税の対象となります。

 

 

生命保険金の非課税枠は相続人1人あたり500万円という計算式なっていますが、この場合は3,000万円のうちの500万円だけが非課税ではなく、

 

保険金を受け取る方が1人であれば、その1人が非課税枠全額の1,500万円を使うことができます。

 

 

2-2 相続人がそれぞれ保険金を受け取るパターン

 

死亡保険金の3,000万円を配偶者(母)が2,000万円、子2名が500万円ずつ受け取り

保険料の負担は全額が被相続人(父)

法定相続人は3人(母と子供二人)

 

 

保険料の負担は全額被相続人なのでパターン①に該当し、相続税の対象になる生命保険金は3,000万円。

法定相続人が3人なので3人×500万円=1,500万円が非課税限度額。

(ここまでは先ほどと全く同じですね)

 

 

そして重要ポイントです。

 

この非課税限度額は相続人全体で受けられる限度額ですので、受け取った保険金の金額で按分計算します。

 

 

【母の非課税限度額の計算】

非課税枠総額1,500万円×3分の2(※)=1,000万円

※総額3,000万円のうち2,000万円を受取の為

 

【子の非課税限度額の計算】

非課税枠総額1,500万円×6分の1(※)=250万円

※総額3,000万円のうち500万円を受取の為

 

 

なお、保険契約ごとや受け取った相続人ごとに適用を選択するということはできません。

 

 

死亡保険金の非課税枠について更に詳しくご説明しているページがありますので、よろしけばご覧ください。

 

死亡保険金の非課税枠と相続税申告(相続放棄、養子縁組、受取人が相続人以外など)について

 

 

 

3 死亡保険金と同時期に受け取るものについて

 

ご相談の中に特約還付金入院保険金という言葉が出てきましたね。

 

 

これらは死亡保険金と同時期に受け取ることの多いお金ですが、相続税の対象となるのでしょうか?

 

また相続税の対象となる場合、死亡保険金に含めて非課税枠の対象になるのでしょうか?

 

 

結論から言うと、これらは相続税の対象となります。

 

 

ただし、死亡に伴う保険金ではないので死亡保険金の額からは除くことになります。

 

 

つまり、相続税の非課税枠の対象にはなりません。

 

 

簡単にどういったものかご説明いたします。

 

 

3-1 特約還付金

 

生命保険には主契約に様々な特約を付加することができ、その中でかんぽ生命保険の特約に係る還付金が「特約還付金」と呼ばれるものです。

(全ての保険会社で同じ名称を使っているわけではなく、かんぽ生命における名称です)

 

 

かんぽ生命保険は一般的に終身型の積立保険で、一定の事由で特約を解除すると積立部分の返還されることになっています

 

 

もちろん契約者が亡くなることでも契約が解除されますので、その際にも積立部分の返金があります。

 

 

そして、その返金は契約者本人が受け取るべきだったものとして相続財産になりますので相続税の対象になりますが、生命保険金でないため非課税の適用はできません。

 

 

3-2 入院給付金

 

入院給付金とは治療のために入院した場合に支払われる給付金ですので、そもそも死亡保険金でないことはお分かりいただけると思います。

 

 

また、

 

・被保険者がご存命の時に給付を受ける場合

誰がその給付金を受け取っても一切税金はかからない

 

という性質がありますが、被保険者も受取人もお亡くなりになられたご本人だった場合

 

・亡くなった後に入院給付金を受け取る場合

相続税がかかる場合がある

 

のでご注意下さい。

 

 

この場合は亡くなった方が受け取るべきだった給付金ですので相続財産になりますが、死亡保険金ではないため非課税の適用は受けられません

 

 

【ワンポイントアドバイス】

入院給付金の受取人は、契約者ご本人(お亡くなりになった方)ではなく、配偶者や子を受取人にしておくと相続税も所得税も課税されないので、契約形態を工夫されると良いかも知れませんね。

 

 

 

4 まとめ

 

相続税の対象になるのは被保険者と保険料負担者が被相続人である死亡保険金のみ

 

生命保険金の非課税を適用できるのは相続人のみ

 

相続人全体で受けられる非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」

 

給付金の内容によっては相続税の対象となるものならないもの、非課税枠が使えるものと使えないものがある

 

 

(参考事例)

家庭裁判所で相続放棄をした相続人でも生命保険は受け取れる?

控除範囲(500万円)の生命保険金だけなら相続税はゼロ?

遺言書で生命保険の受取人が変更されていた!有効?無効?

 

 

このページの監修した専門家

滝 亮史Ryoji Taki

税理士中小企業診断士
  • 近畿税理士会 東支部 第107863号
  • 大阪府中小企業診断士会 第411767号

昭和55年生まれ、兵庫県出身。

 

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