相続税の申告で預貯金を評価する方法とは|既経過利息についても解説します

父が亡くなり、相続税の申告の準備をしています。銀行の預貯金については、通帳があればいいのでしょうか?どういったものを用意し、評価するのか教えてください。

相続税の申告における預貯金の評価方法は、

  • 基本的には「相続開始時点の預金残高+既経過利息」が評価額になる(まずは残高証明書を取得しよう)
  • 外貨預金を評価する場合は、為替レート(TTB)を用いて、被相続人の死亡日で評価する

 

ここでは、相続税申告における、預貯金の評価方法についてご説明します。

 

「評価方法」と聞いて違和感を覚える方もいるかもしれませんが、預貯金を相続して相続税申告をする場合、単に通帳の残高がすべてとは限りません

また、預貯金にも種類があり、普通預金なのか、定期預金なのか、はたまた外貨なのか、によっても考え方は異なります。

 

税理士が解説しますので、預貯金の相続税申告が必要になった時に、ぜひこの記事をお役立てください。

 

1.預貯金の相続税申告では、まず残高証明書を取得しよう

故人の預貯金を相続した場合、基本的には相続開始時点の預金残高+既経過利息が評価額となります。

 

評価額を明確にするために、まず金融機関から相続開始時点の残高証明書を取得しましょう。

この残高証明書には元本の残高のみが記載されていることが通常ですので、既経過利息の金額を把握するためには、金融機関に既経過利息の計算も依頼する必要があります。

金融機関にもよりますが、残高証明書とは別で「既経過利息計算書」が発行される場合が多いようです。

※既経過利息とは、相続開始時点でその口座を解約した場合に支払われる利息のことです。

(相続税を申告する場合は、既経過利息の20.315%を、 源泉所得税として控除します)

 

この評価額を基本として、普通預金」「定期預金」「外貨預金の場合の、それぞれの評価方法についてご説明していきます。

 

1-1.普通預金を評価する方法

普通預金、または当座預金のように、定期性ではない預金の場合、既経過利息を計算しても非常に少額になるケースがほとんどです

このような場合、基本的に既経過利息の計算を金融機関に依頼する必要はありません。

課税上の弊害がなければ、残高証明書に記載の預金残高のみを評価額とすることができます。

 

1-2.定期預金を評価する方法

一方、定期預金や定額貯金のような定期性の預金の場合は、必ず既経過利息を評価額に含める必要がありますので、残高証明書の取得と既経過利息の確認を忘れないようにしましょう。

 

また、その銀行に普通預金、定期預金いずれもある場合は、まとめて残高証明書に載せてもらうことができます。

 

1-3.外貨預金を評価する方法

被相続人が、金融機関に日本円以外の外国通貨で預金を預けている場合、残高証明書に記載されている外貨預金残高が日本円でいくらなのかを計算する必要があります。

外貨預金を評価する為替レートは、被相続人の死亡の日における「対顧客電信買相場(TTB)」を用いることになります。

 

TTBとは、金融機関が顧客から外貨を購入する場合に使用するレートのことをいいます。少し難しいですが、顧客側(相続人側)から見ると、相続した外貨を金融機関に売って日本円に換える際のレートと考えるとわかりやすいかもしれません。

〈参考〉
その他の為替レートには、下記のようなものがあります。

【TTS】…対顧客電信売相場という意味で、TTBとは逆に金融機関が顧客に外貨を販売する場合に使用するレートになります。

※外貨建ての借入金等、債務が日本円でいくらかなのかを計算する場合に用いるレートになります。

【TTM】…対顧客電信相場仲値という意味で、金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレートとなります。TTBとTTSの平均値をいいます。

 

使う為替レートにご注意を

外貨を日本円に換算する際に使用する為替レート(TTB)ですが、これは金融機関によって異なります。

相続税の申告においては原則として、被相続人が外貨を預けていた金融機関ではなく、相続人の取引金融機関が公表している為替レートを使用する必要がありますので、ご注意ください。

 

またTTBの確認方法ですが、たいていの大手の金融機関は、ホームページにて過去の為替レートを公表しています。

ただし、相続人の取引金融機関が過去の為替レートを公表していないケースも想定されます。そのような場合は任意の為替レートを使用しても問題ありません。

金融機関によっては、残高証明書にTTBを記載してくれる場合もありますので、必要によって依頼しましょう。

 

相続開始日に為替レートが存在しない場合

相続開始日が土日祝に該当するため、相続開始日に為替レートが存在しないこともあります。そのような場合は、相続開始日よりで、直近で為替レートが存在する日のものを使用しましょう。

 

残高証明書はどうやって発行してもらう?

金融機関から残高証明書を発行してもらうには、被相続人の口座がある金融機関の窓口に出向いて請求することになります。

手数料は金融機関によって異なりますが、おおよそ1,000円前後です。

 

同一の金融機関で複数の支店に口座がある場合は、支店ごとに手続きに出向く必要はなく、ひとつの支店でその銀行にあるすべての口座の残高についての証明書が取得できます。さらに言えば、被相続人が口座を開設していない支店でも、請求することが可能です。

 

請求方法や必要書類は金融機関によって異なるため、まずは口座のある金融機関に問い合わせて、書類や手順を確認してから窓口に出向くことをおすすめします。

(ちなみに、窓口に出向く場合は、来店予約をするとスムーズです。)

 

2.預貯金の相続税申告でよくあるQ&A

預貯金について相続税申告をする際に、よくあるQ&Aとして2つご紹介します。

 

1.Q)通帳だけでは申告できないのでしょうか?

2.Q)自分名義の知らない通帳がありました。申告は必要ですか?

 

2-1.Q)通帳だけでは申告できないのでしょうか?

A.残高証明書の取得を省き、通帳のみで残高を確認し相続税申告をしたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、通帳では既経過利息の金額が分からないため、基本的には残高証明書を取得し、確認する必要があります。

 

また、相続人が2人以上いて遺産分割協議が必要となる場合は、相続人間のトラブルを回避するためにも、残高証明書を取得して預貯金残高を明確にさせておくことをおすすめします。

 

2-2.Q)自分名義の知らない通帳がありました。申告は必要ですか?

A.名義預金の可能性があるため、被相続人の相続財産として、相続税の申告をしましょう。

 

どういう状況かといいますと、例えば、父(被相続人)が娘(自分)のために、こっそり娘名義の口座を開いて貯金をしていたとします。

ですが父は亡くなり、死亡後になって初めて、娘はその通帳を見つけ、口座の存在を知りました。

被相続人の名義ではないこの預貯金は、果たして相続財産なのかどうか・・・という状況です。

 

結論としては、お金の出処が被相続人となっており、管理・運用も被相続人が行っているような、いわゆる名義だけを貸しているような状態の場合は「名義預金」となります。

これは被相続人の相続財産に含まれることになります

 

※名義預金と判断されるポイントについて、詳しくは下記の記事をご参照ください。

 

3.まとめ

残高証明書は、正確な相続税申告を行うための必要不可欠な書類です。

被相続人が、通帳を紛失していたり、通帳記帳を怠っていたりすると、正確な預貯金額(=相続財産額)はわかりません。

残高証明書を取得してはじめて、相続人ではわからなかった口座の存在が発覚するようなこともありますので、申告に漏れのないように、必ず残高証明書を取得するようにしましょう。

 

残高証明書については、行政書士や税理士が代理で取得することも可能です。

相続税申告についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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この記事を執筆した専門家

この記事を執筆した専門家 滝 亮史
  • 税理士

滝 亮史

Ryoji Taki

近畿税理士会 東支部 第107863号
大阪府中小企業診断士会 第411767号

相続税申告、生前対策に強い税理士、中小企業診断士。大手税理士法人での経験を活かし、”今”だけでなく”次の相続”を見据えたベストな方法をご提案する。CISコンサルティング税理士法人、CISコンサルティング株式会社の代表税理士。

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