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遺言書の文言に「持戻しの免除」と記載が!どういう意味?

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遺言書の文言に「持戻しの免除」と記載が!どういう意味?

先日父がなくなり、初めて遺言の内容を知りました。そこには「持戻しの免除」と書かれていました。これはどういう意味なのでしょうか。

 

お父様の遺言書の中に持戻し免除の意思表示があったということですね。

確かに聞きなれない言葉ですし、それが何を意味するのか少しわかりにくいかもしれませんね。

 

ではまず、持戻しの免除とは何ぞや?をお伝えする前に、遺言書の『遺言事項』というものを確認しておきたいと思います。

(「遺言事項」の意味も後ほど解説しますのでご安心ください)

 

1.まず「遺言事項」について理解しよう

 

遺言は、被相続人(亡くなられた方)の最終的意思に法的効果を認めるものですが、亡くなられた後にその方の真意を確認することは難しい(というか、実質的に不可能)ために、厳格な要式行為とされています。

 

したがって、遺言書は法律によって定められた方式によって作成する必要があります。

 

また、遺言で定めることができる事項も法律で定められており、これを遺言事項といいます。

 

つまり、遺言書で定めることができる事項が法律で決まっている=それ以外の遺言書は無効である!

 

・・・なんていうことはありませんのでご安心を。

遺言事項に該当しない事項について遺言書内に書き記したとしても、直ちにその記載によって遺言全体が無効になるということはありませんのでご安心ください。

 

~~~

ここから少し脱線します。

 

私が遺言書の作成をお手伝いさせていただく際は必ずお伝えするのですが、遺言書は自分の財産を誰に渡すとか、どのようにわけるとか、そういう財産に関することだけを書くものではないと思っています。

 

もちろん財産について書くことも全く問題ありませんし、そういった目的で遺言書を作成する方がほとんどです。

しかし例えば「三人の子供のうち、Aに全ての財産を相続させる」と書いた場合、なぜそう書いたのか、どういう理由でその分け方に決めたのか、そこに隠れている想いをしっかり書き記すことが一番大切だと思っています。

 

単に分け方だけを書いた

「Aに全ての財産を相続させる」

と書いた遺言よりも、

「BとCには生前に住宅購入資金の面で協力をしたことがあったが、Aにはそれがなかった。Aは最期まで長男としての責任をもって私の看病をしてくれた。その感謝の意味も込めて、Aに全ての財産を相続させる」

と書かれていた方が、BとCも受け入れやすいと思いませんか?

 

今は財産のことだけを書きましたが、家族の楽しかった思い出について書いても全く問題ありません。

感謝の言葉を並べても全然問題ありません。

 

むしろ、それでこそ遺言(遺す言葉)だと私は思います。

(これは今までの数々の遺言書を拝見してきたからこそ思うことかもしれませんね)

 

2.「遺言事項」に該当しない事項は、法律上の効力は認められない

 

さて、す本題に戻ります。

 

遺言事項に該当しない事項を書いても全く問題ない、それによって遺言書自体が無効になったりしないということは既にお伝え致しました通りです。

 

しかし!

遺言事項に該当しない事項については、法律上の効力は認められないことになります。

ここは重要ポイントです。

 

すごく極端な例を挙げますと、遺言書の中で「大好きなA子さんを相続人にする」と書いていた場合、認められると思いますか?

「大好きなA子さんに全部の財産をあげる!」はまだあり得るのかもしれませんが、「相続人にする」という身分的なことについては当然ダメです。

 

実際にそれに近しい判例がありまして、「相続人を指定する遺言は無効である」とされています。

まぁ当然といえば当然の気がしますが…

 

では、遺言事項にはどのようなものがあるのでしょうか。

具体的に挙げておきますね。

 

  1. 認知
  2. 未成年後見人の指定
  3. 未成年後見監督人の指定
  4. 遺贈
  5. 遺贈減殺方法の指定
  6. 一般財団法人設立のための財産拠出行為
  7. 推定相続人の廃除及び廃除の取消し
  8. 相続分の指定及び指定の委託
  9. 特別受益者の持戻し免除

などがあります。

 

出てきました。

9.特別受益者の持戻し免除です。

さて、これは一体どういうものなのか、解説していきます。

 

2-1.「特別受益者の持戻し免除」とは

 

共同相続人の中に、被相続人(故人)から遺贈を受けたり、生前に婚姻や養子縁組のために贈与を受けた人がいる場合、その贈与は実質的には相続分の前渡しであると考えられ、贈与を受けた者(特別受益者といいます)の具体的な相続分はそれを踏まえた上で算定するのが原則となっています。

 

シンプルな言葉にしますと、先に何かしら贈与を受けた人がいる場合、相続の時点ではそのことも考慮して分割方法を決めましょうということです。

 

これは共同相続人間の公平を図ることがその目的・理由です。

 

生前にたくさん贈与を受けている人がいて、他の相続人は全く財産をもらえない…となると、当然不公平になりますよね。

その不公平さを解消するための考え方です。

 

そこで、被相続人が相続開始時に持っていた財産の額に、贈与の受けた人(特別受益者)が受け取った贈与の額を加えたものを相続財産とみなし、

特別受益者が受け取った贈与の額を加算すること持戻しといいます。

 

数字でイメージしてみましょう。

お父さんが生前にAさんに対して500万円のお金をあげました。

その後お父さんが亡くなり、その時点での通帳の残高は1,000万円でした。

子供はAさんを含めて3人、お母さんは既に他界しています。

さぁ子供3人で1,000万円をわけましょう!

1人333万円ずつです!

 

…ってすごく不公平じゃないですか?

 

なので、死亡した時点での通帳残高1,000万円に、Aさんに生前に挙げた500万円を加えた計1,500万円について分割の話をしましょう!というのが持戻しということです。

 

しかしこの持戻し、他の相続人の遺留分を侵害しない範囲において、被相続人はこれを免除することができます。

 

つまりこれは、相続分の算定において、

①特別受益分(先に贈与を受けた分)を相続財産に加算せず、

相続財産開始時の財産の価額について

③特別受益者に指定相続分(あるいは法定相続分)による相続をさせる

こととする被相続人の意思表示ということになります。

 

3.まとめ

 

今回のご相談では遺言書に持戻しの免除が書かれていたとのことでしたが、実は、特別の方式は定められておりません。

遺言書に書いておかないと無効ということではありません。

 

しかし、言った言わないを避けるためにも遺言書で行うのが明確といえますが、被相続人が特別受益者に相続とは別枠で多くの財産を与えたいと考える事情がある場合には、被相続人の黙示の意思表示があったと判断される場合もあります。

(口に出したり言葉で残してないけど、これは意思表示してると考えられるよね、ということです)

 

でもやはり、確実に持戻し免除の意思を残しておくためには遺言書に明示しておくのが賢明だと思います。

 

他の相続人からすると「不公平だ!!」と思う人の方が多そうですので、意思表示は理由も含めて明確にしておいたほうがいいですね。

 

◆◆◆まとめ◆◆◆

遺言事項にはどのようなものがあるかを知っておくことで、相続人間のトラブルを防ぐことができる!(かもしれない)

 

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この記事を執筆した専門家
行政書士社会保険労務士

吉﨑 昌代Masayo Yoshizaki

全国社会保険労務士会連合会第27210156号
大阪府社会保険労務士会第22594号
日本行政書士会連合会16262536号
大阪府行政書士会第7268号

相続専門の社会保険労務士、行政書士。ご遺族の今後の生活の糧となる「年金」の専門家。適切に漏れなく年金が受けとれるように手続きの全てに対応する。金融機関出身で、銀行の相続手続きにも強い。G1行政書士法人所属。

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