HOME >> 実際にあったご相談実例 >> 父が遺言書を残しておきたいと言っています。書き方、必要書類など

実際にあったご相談実例

私は兄、姉と3人兄弟ですが、母はすでに他界、姉は海外に移住しています。父は、兄に土地と建物を、私と私の娘(父の孫)に預貯金を遺産分割したいと言っています。父が遺言書を残す場合、どのように書けばよいでしょうか。また、必要な手続きがあれば教えてください。

「遺言書」と一言で言っても、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言と大きく分けて3種類あることをご存知でしょうか?

 

今回のケースでは、

・海外在住の相続人の方(ご相談者様のお姉様)がおられること
・お孫様にも財産を分けたいこと
・お父様がお元気(意思能力がある)であること

などを考慮し、公正証書遺言の作成をお勧め致しました。

 

公正証書遺言については民法969条に定められております。

 

 

【第969条】

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一 証人二人以上の立会いがあること。

二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 

条文だけ見ると難しそうですので、一つ一つ簡単に説明させていただきますね。

 

 

一 証人二人以上の立会いがあること。

作成当日には証人2名が立ち会わなければなりません。

この「証人」ですが、誰でもなれるわけではなく、こちらも民法にて定められております。

 

【第974条】

次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

一 未成年者

二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族

三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

 

なんとなくお分かりいただけますでしょうか?

要は、年齢が若い人と遺言者と近しい関係にある人、公証人と近しい関係にある人はダメですよということです。

「兄の奥さんは大丈夫ですか?」といった感じでご相談をいただくこともありますので、証人になれるかどうかのご判断に迷われた場合はお気軽にご相談下さいませ。(ご相談はお電話またはご相談専用ページからどうぞ)

 

 

二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

遺言者が「誰に」「何を」譲りたいかを口頭にて伝えるということです。

意思判断能力があるかどうか、自分の意思で遺言書を残したいと言っているかの判断にもなります。

 

 

三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

二でありました通り、遺言者は「誰に」「何を」譲りたいかを口頭にて伝えます。

その内容を公証人が書き記し、改めてその内容を遺言者と証人に読み聞かせるということです。

耳が不自由な方でも問題なく進められるよう、読み聞かせ以外にも閲覧という方法が定められております。

 

 

四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

文字通りですね。内容を確認し、間違いなければ遺言者と証人2名が署名押印します。

手が不自由な方でも問題なく進められるよう、署名以外にも公証人がその理由を付記するという方法が定められております。

 

 

五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

民法で定められた方法・手順に従って作成しましたということを公証人が付記し、公証人が署名押印して完了となります。

 

 

以上が公正証書遺言の作成の流れです。

条文の中で耳が不自由な方、手が不自由な方などへの配慮が記載されていましたが、では、足が不自由で公証役場へ行けない場合はどうすれば良いでしょうか?

無理矢理にでも車に乗せて連れて行かなければならないのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありませんよね。

足が不自由であったり体調の兼ね合い等で現地を訪れるのが難しい場合、公証人に日当と交通費を払って出張してもらうという方法があります

具体的にどれぐらいの費用が加算になるかは出張場所と公証役場の距離、移動にかかる時間なども影響しますので、最寄りの公証役場に直接ご相談下さい。

 

 

公正証書遺言の作成についていろいろとお伝えしてきましたが、そもそも公正証書で作成するメリットは何なのか、デメリットはあるのか、については「(ご相談実例)公正証書で遺言書を作成するとココがいい!逆にココがちょっと…」にて詳しくご説明しておりますので、併せてご覧下さいませ。

 

 

 

■■■まとめ■■■

・遺言書には3種類(自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言)ある。

・体調なども含めて時間的に猶予がある場合、公正証書遺言がおすすめ

・公正証書遺言は目や耳、手や足が不自由であっても作成できる(公証人の出張も可)

 

 

 

 

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